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飯能市都市計画マスタープラン



飯能地区まちづくり構想

地区の将来像

: 緑の風と賑わいのある心かようまち−飯能−

1)地区の特性・課題 ○飯能地区は、東部に飯能駅、東飯能駅を中心とした市街地が形成され、西部には丘陵地 が広がり、天覧山や飯能河原などの観光資源ともなっている自然が残されています。 ○飯能駅、東飯能駅周辺は、商業・業務機能が集積し、高層の集合住宅が立地するなど飯 能市の中心市街地を形成していますが、空洞化が進み、活性化が望まれています。 ○市街地周辺に残された自然である天覧山周辺や市民のレクリエーションの場として利 用されている飯能河原周辺の河岸緑地は、良好な環境を保全していく自然としての措置 が講じられています。 ○市街地では比較的緑が少ないため、緑化を推進するとともに、周辺に残された屋敷林や 社寺林などの保全を図っていくことが求められています。 2)地区まちづくりの目標 (1)中心市街地にふさわしい賑わいのあるまちづくり ○歴史的なたたずまいを伝える蔵やまちなみがいきづくまちなかの要素を生かし、活気の ある市街地の形成を図ります。 ○飯能駅、東飯能駅を核とした商業・業務機能の集積を図り、玄関口にふさわしい顔づく りを進めつつ、訪れやすく、歩いて楽しい商業環境の整備を進めます。 ○まちなかの商店街を散策し、市街地周辺の水と緑へと向かう人の流れを形成させる、快 適なネットワークの整備を図ります。 ○子育て世代にも魅力あるサービス機能の集積を図り、安全性の高い、子育て環境の整っ た市街地整備を進めます。 (2)市街地周辺の水と緑を生かしたまちづくり ○市街地は、景観緑地の指定や緑のトラスト制度などにより保全されている天覧山周辺や 飯能河原河岸緑地などの自然環境、景観と調和した整備を進めます。 ○飯能河原、天覧山など市街地に隣接する水と緑を、人と自然とのふれあいを大切にした、 観光やレクリエーションの場として保全、整備を図ります。 ○飯能大河原地区の開発は、周辺環境に配慮した丘陵地にふさわしい整備を図ります。 (3)農村環境を活用した交流のあるまちづくり ○農地の保全を図るとともに、丘陵や水辺を生かした集落環境を継承するゆとりあるまち づくりを進めます。 ○入間川や河岸林などの豊かな自然環境を保全・活用し、家庭菜園などが展開できる居住 環境の形成を図ります。 ○市民や観光客を対象にした、農業振興、観光振興に資する販売所などの設置が促進され るよう、休耕地の活用を図ります。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①商業業務系市街地 ○飯能駅及び東飯能駅周辺は、本市の中心市街地として魅力ある商業・業務機能の充実を 図るとともに、観光を含めた情報発信機能の充実や玄関口にふさわしい風格のある景観 形成を進めます。 ○土地利用の高度化による商業・サービス施設などの立地を促進し、都市機能の集積を図 り、住民にやさしいコンパクトで利便性の高い市街地形成をめざします。 ○商業環境の向上や点在する歴史的建造物の保全、活用を図り、歴史を感じる、歩いて楽 しいまちなみの形成を図ることにより、賑わいのある商業地の再生をめざします。 ②住宅系市街地 ○仲町、柳町、東町、南町、栄町の駅周辺は、駅に近い特性を生かして土地の高度利用に よる中高層住宅の立地を促進し、新たな定住人口の増加を図ります。 ○原町、本町、山手町、新町、八幡町、稲荷町周辺は、オープンスペースを確保した中低 層住宅地としての市街地形成を図ります。 ○中山、久下、飯能、永田台周辺は、戸建て住宅や周辺環境と調和した低層住宅の立地す る緑豊かな住宅地としての市街地形成を図ります。 ③工業系市街地 ○一般県道二本木飯能線沿道に工場が立地する南町の工業地は、周辺の住宅地に配慮した、 環境と調和する工業地としての形成を図りつつ、駅に近い特性を生かした土地利用の促 進を図ります。 ○大河原地区を「産業拠点」として位置づけ、計画的な基盤整備を行い、周辺の自然環境 と調和する緑豊かな市街地形成を図ります。 ④幹線道路沿道 ○商業・業務施設やサービス施設などの立地が予想される一般国道 299 号バイパス沿道は、 適切な土地利用の誘導とともに、沿道にふさわしい統一性のあるまちなみ形成を図りま す。 ○主要地方道飯能下名栗線沿道は、商業・サービス施設などの適切な立地促進や遊休農地 を活用したそばの里づくりなど、後背の自然景観と調和した土地利用を図ります。 ⑤丘陵地 ○市街地を取り囲み、豊かな自然を感じる丘陵地は、自然環境の保全を図りつつ、レクリ エーション機能の充実を図ります。 ○自然環境や農業環境に配慮した、人と自然にやさしい緑地としてのゴルフ場の形成を図 ります。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①市街地幹線道路 ○広域交通を処理し、飯能地区市街地を東西に走る中央通り岩根橋線の改良整備を推進し、 ゆとりとうるおいのある道路空間を創出するとともに、市街地の渋滞解消や歩行者の安 全性の向上を図ります。 ○飯能駅前通り線の整備を進め、一般国道 299 号から飯能駅へのアクセス性を向上すると ともに、安全で快適な歩行者空間の創出を図ります。 ○東西に走る久下六道線は、中心市街地活性化の推進と並行して整備を推進し、安全性の 向上を図ります。 ②市街地周辺幹線道路 ○交通量の多い主要地方道飯能下名栗線、主要地方道青梅飯能線の拡幅、歩道設置など改 良整備を促進し、安全な道路空間の形成を図ります。 ○飯能南台大河原線、大河原永田線などの整備を進め、安全で円滑な交通処理を図ります。 ○観光シーズンの渋滞緩和や緊急時に対応する主要地方道飯能下名栗線の迂回路として、 入間川右岸道路の整備を進めます。 (3)水と緑 ①入間川 ○地域住民や来訪者が身近に感じる水辺空間となるよう、生態系に配慮した河川改修を進 めつつ、川に沿って散策道や休憩広場を設置するなど親水性の向上を図ります。 ○吾妻峡などの河岸林の保全を図るとともに、水辺と豊かな自然環境を感じる景観を形成 するよう整備を図ります。 ②飯能河原・天覧山周辺 ○飯能河原及び天覧山周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、観光振 興にも寄与する中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○飯能河原周辺に駐車場を確保するなど利便性を向上し、観光客などの利用を促進すると ともに、市街地との連絡性を向上し、飯能河原、天覧山との一体化を図って、市民的な 緑地として保全しつつ、観光機能の充実を進めます。 ③水と緑の散歩道 ○飯能河原、吾妻峡、天覧山、能仁寺や智観寺など地域の名所・史跡を巡り、周辺地区に もつながるルートを自然・歴史・文化を楽しむ散歩道として設定し、回遊性のあるネッ トワーク形成を図ります。 ○蔵や昔のたたずまいを感じる路地や買物・飲食を楽しむショッピング通りや横丁、絹甚 や織物協同組合の建物などの歴史的建物を巡る散策路の整備を図り、回遊性のある歩行 者空間のネットワーク化を図ります。

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第3章 地区別構想

飯能地区まちづくり方針図 N

林道長尾坂野口入線

一般国道299号

(仮)原市場中央線 主要地方道飯能下名栗線 飯能第二小学校 第二区公民館 入間川右岸道路

入間川

智観寺

天覧山

吾妻峡 大河原永田線

能仁寺 中央公園 飯能第一小学校 飯能西中学校 郷士館 中央公民館 店蔵絹甚 飯能駅前通り線 飯能河原 中央通り岩根橋線 織物協同組合

赤根ヶ峠

飯能駅

東飯能駅

飯能南台大河原線 久下六道線 (一般国道299号)

飯能駅南口駅前通り線 主要地方道青梅飯能線

市街地幹線道路

市街地ゾーン

河川

都市間幹線道路

丘陵ゾーン

地域施設

地域間幹線道路

産業拠点

地域資源

水と緑の散歩道

水と緑のレクリエーション拠点

主要公園緑地

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飯能市都市計画マスタープラン



精明地区まちづくり構想

地区の将来像

: 田園に抱かれてだれもが安心して心豊かに暮らせるまち−精明−

1)地区の特性・課題 ○精明地区は、市東部に位置し、緑地や水辺、まとまった農地が広がる地域で、豊かな自 然環境が残される一方、市役所や総合福祉センターをはじめとする国、県、市の行政施 設が集積し、住宅地、工業地などが混在した地域でもあります。 ○農地や工業地と隣接する地区については住環境との調和が求められており、生活道路の 整備なども課題となっています。 ○宮沢湖の周辺は、様々な動植物の棲息空間であるとともに、環境学習の体験の場や市民 の憩いの場ともなっています。 ○市内でもまとまった農地があるのは精明地区だけであり、周辺には平地林が残され、南 小畦川や農業用水などとともに美しい田園風景を形成しています。 ○南小畦川は、地区を代表する川であり、散策や魚釣り、農業用水などに利用されており、 水質浄化などの環境保全・創出により、水辺に親しめる川づくりが望まれています。 2)地区まちづくりの目標 (1)生活環境と産業が調和し、安心できるまちづくり ○周辺環境と調和したゆとりある低層住宅が立地する緑豊かな住宅地として整備保全を 図ります。 ○大規模な工場が立地する市街地東部は、周辺の住宅地との調和に配慮した工業地として 整備保全を図ります。 ○子どもたちが安全に通学でき、高齢者などが安心して通行できる歩行者空間の形成を図 ります。 (2)豊かな自然と田園集落環境の保全・整備と農を生かしたまちづくり ○里山や優良農地などの農村景観の保全を図り、生垣や屋敷林など農家集落の特性を生か したゆとりある居住環境の形成を図ります。 ○無秩序な開発を抑制するとともに、既に住宅が立地する住宅地は、田園環境にふさわし い基盤整備を進めます。 ○圏央道狭山日高IC周辺の産業拠点と農業環境との調和を図りつつ、休耕地を活用した 観光農園などの農業振興に資する土地利用や家庭菜園など農のある暮らしの形成を図 ります。 (3)平地林の保全と水辺を生かしたまちづくり ○カブトムシなどの昆虫や様々な生物が棲息する身近な緑地として平地林を位置づけ、保 全を図ります。 ○宮沢湖周辺を市民が利用できる緑地、親水空間として整備、拡充を促進します。 ○自然と共生した貯水池、用水路の整備を推進し、水辺に親しむレクリエーション空間の 形成を図ります。 - 70 -

第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①商業・業務系市街地 ○東飯能駅東口周辺は、駅に近い立地条件を生かし、商業・サービス施設などの集積を図 り、賑わいのある市街地形成をめざします。 ○商業・サービス施設などが立地する久下六道線沿道は、統一性のある沿道景観への誘導 を図りつつ、利便性の高い沿道市街地の形成を図ります。 ○今後、商業・業務施設やサービス施設などの立地が予想される一般国道 299 号バイパス 沿道は、適切な土地利用の誘導を行い、幹線道路沿道にふさわしいまちなみや市街地の 形成を図ります。 ○市役所周辺は、行政サービス機能の充実を図るとともに、緑やオープンスペースを確保 した魅力あるエリアとしての形成を図ります。 ②住宅系市街地 ○青木・双柳地区は、周辺環境と調和したゆとりある低層住宅の立地する緑豊かな住宅地 としての形成を図ります。 ○施行中の双柳南部土地区画整理事業区域では、道路、公園など都市基盤の計画的な整備 により、良好な住環境が確保された中低層住宅地の形成を図ります。 ③工業系市街地 ○双柳・新光地区は、周辺の住宅地に配慮した、環境と調和する工業地としての形成を図 ります。 ○圏央道狭山日高IC周辺は、新たな産業拠点と位置づけ、周辺の田園環境との調和を図 りつつ、工業・流通系の産業集積を図ります。 ④田園集落地 ○精明地区東部の優良農地の保全と農村集落の生活道路・排水処理などの環境整備を進め、 田園景観や環境と調和した土地利用を図ります。 ○市営住宅が立地する地区では、市営住宅の建替えなどに併せて公園・緑地を確保するこ とにより、住民の交流の場として活用できるよう整備を図ります。 ⑤丘陵地 ○様々な動植物の棲息空間や市民の憩いの場となっている宮沢湖周辺は、水と緑のレクリ エーション拠点として位置づけ、自然環境の保全を図りつつ、レクリエーション機能の 充実を図ります。 ○ゴルフ場は、環境保全条例に基づき、自然環境や農業環境に配慮した、人と自然にやさ しい緑地としての形成を促進します。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①市街地幹線道路 ○広域交通を処理し、精明地区市街地の南北を縦貫する阿須小久保線の早期完成を図ると ともに、東西に走る久下六道線(一般国道 299 号)の改良整備を推進し、市街地の渋滞 解消や安全性の向上を図ります。 ○阿須小久保線の整備に合わせ、東飯能駅東口駅前通り線の整備を進め、東飯能駅へのア クセス性の向上を図ります。 ○施行中の双柳南部土地区画整理事業に合わせ、東原巽原線などの整備を進めます。 ②市街地周辺幹線道路 ○交通量の多い主要地方道飯能寄居線、一般県道馬引沢飯能線の拡幅、歩道設置など改良 整備を促進し、安全な道路空間の形成を図ります。特に一般県道馬引沢飯能線は、IC へアクセスする幹線道路にふさわしい、ゆとりのある道路景観を形成するような整備を 促進します。 ○精明地区の集落地を東西に走る市道第 1 地区 5 号線を地域間幹線道路と位置づけ、歩道 の設置や交差点の改良を進め、安全な道路空間の形成を図ります。 (3)水と緑 ①南小畦川 ○精明地区唯一の河川である南小畦川の水質浄化や川に沿った散策道、休憩広場の設置な どにより、地域住民にとってより身近に感じる空間となるよう親水性の向上を図ります。 ○河岸林の植樹や花の植え込みなどにより、周辺環境と調和する景観形成や防災機能の向 上を図ります。 ②宮沢湖 ○灌漑用水や貯水などの貯留施設を活用し、市民・観光客の憩いやレクリエーションの場 となる親水空間としての充実を図ります。 ○既存の施設を活用し、環境学習など自然体験の場として充実を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○南小畦川、宮沢湖や円泉寺など地域の名所・史跡などを巡り、飯能地区、加治地区にも つながるルートを自然・歴史・文化を楽しむ散歩道として設定し、回遊性のあるネット ワーク形成を図ります。 ○旧大山街道にあたるルートについては、歴史を感じる、歩いて楽しい道づくりを進めま す。

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第3章 地区別構想

精明地区まちづくり方針図 N

主要地方道飯能寄居線

一般県道日高狭山線 宮沢湖

円泉寺 市道第1地区5号線 精明小学校 精明公民館

旧大山街道 飯能第一中学校 富士見小学校 富士見公民館 市役所 東飯能駅

狭山日高IC

南小畦川

阿須小久保線

一般県道馬引沢飯能線

一般国道299号バイパス 双柳小学校

東飯能駅東口駅前通り線 東原巽原線 双柳学習センター

久下六道線(一般国道299号)

市街地幹線道路

市街地ゾーン

河川

都市間幹線道路

田園ゾーン

地域施設

地域間幹線道路

丘陵ゾーン

地域資源

地区幹線道路

産業拠点

主要公園緑地

水と緑のレクリエーション拠点

水と緑の散歩道

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飯能市都市計画マスタープラン



加治地区まちづくり構想

地区の将来像

: 阿須丘陵の自然を生かし文化を育む豊かなまち−加治−

1)地区の特性・課題 ○加治地区は、市東南部に位置し、北の平地部に市街地が形成され、南に阿須丘陵(加治 丘陵)が広がっており、田園環境が残る中央を入間川や成木川が流れるなど豊かな自然 が残されている地域です。 ○丘陵部では計画的に開発された美杉台団地が形成されていますが、平地部の既成市街地 では、土地区画整理事業の長期化にともない、下水道や道路などの基盤整備が遅れてい る地域があります。 ○入間川の河川沿いには阿須、岩沢運動公園やあけぼの子どもの森公園などが整備され、 自然の中でのレクリエーションが楽しめる地域となっています。 ○身近な水辺環境を有している地区で湧水地も残されていますが、入間川では水量の減少 やコンクリート護岸などで、水辺の豊かさが失われてきています。 2)地区まちづくりの目標 (1)暮らしやすくうるおいのある計画的なまちづくり ○既存の農地や湧水などを生かしつつ、道路、下水道など計画的な基盤整備を進め、安全 でうるおいのある市街地の形成を図ります。 ○子どもたちが遊べる身近な公園や高齢者・障害者など住民すべてが利用できる公園を計 画的に整備し、快適な居住環境の形成を図ります。 ○生垣や屋敷林の残る田園環境を保全し、さくら咲くまちづくりなどにより、うるおいの ある住環境の形成を進めます。 (2)農と森林を育む、景観を大切にしたまちづくり ○林業センターや市民農園の利用を促進し、休耕地を活用した農林業を体感する場を確保 して、地域の産業や生活文化の伝統を生かすエコツーリズムなどの展開を推進します。 ○入間川、成木川が合流する林業センター・浄化センター周辺は、豊かな自然と清流のあ る水辺空間として、うるおいを感じる景観の創出を図ります。 (3)丘陵の緑と水辺環境を守り、生かした交流を促すまちづくり ○阿須丘陵(加治丘陵)の自然を保全し、阿須運動公園や林業センターなどの公共施設や 駿河台大学への人の流れを生かして、市民と来訪者の交流が促進されるまちづくりを進 めます。 ○入間川と成木川の合流点にある浄化センターを拠点に、水質浄化を推進して清流の保全 を進め、生物が棲める水辺環境の創出を図ります。 ○水辺のレクリエーション空間の充実を図り、鉄橋などの景観を楽しむ眺望点の整備や花 などによる彩りのある景観を創出して川と親しみ、水辺を楽しむまちづくりを進めます。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①商業系市街地 ○元加治駅周辺は、駅に近い立地条件を生かし、商業・サービス施設などの集積を図り、 賑わいのある市街地形成をめざします。 ○一般県道二本木飯能線の沿道は、商業・サービス施設などの立地を促進し、利便性の高 い沿道市街地の形成を図ります。 ②住宅系市街地 ○元加治駅周辺は、駅に近い特性を生かして土地の高度利用による中高層住宅の立地を促 進し、新たな定住人口の増加を図ります。 ○川寺、岩沢、笠縫周辺は、道路、公園など都市基盤の計画的な整備により、良好な住環 境が確保された中低層住宅地の形成を図ります。 ○矢颪、前ヶ貫、征矢町周辺は、周辺環境と調和した低層住宅の立地する緑豊かな住宅地 としての市街地形成を図ります。 ○美杉台は、まちなみの美しい、環境と共生する緑豊かな住宅地としての保全を図ります。 ③工業系市街地 ○民間施設などの緑化を推進し、街路樹の植栽などにより、緑あふれる快適な空間の形成 を促進します。 ○川寺、岩沢の住宅地と工業地が混在する地域は、周辺の住宅地に配慮した工業地として の形成を図るとともに、土地利用の転換時には、周辺の住宅環境と調和する土地利用へ の誘導を図ります。 ④田園集落地 ○一般県道富岡入間線沿道は、阿須丘陵(加治丘陵)の自然環境が保全され、緑豊かな景 観が形成されるような土地利用の誘導を図ります。 ○既に工場が立地している落合は、周辺の住宅地環境が良好に保たれるよう、住環境との 調和に配慮した工業環境の形成を図ります。 ○優良農地の保全と農村集落の生活道路などの環境整備を進め、田園景観や環境と調和し た土地利用を図ります。 ⑤丘陵地 ○市街地を取り囲み、豊かな自然を感じる丘陵地は、蛍などの棲息する自然環境の保全を 図りつつ、丘陵を散策できる自然とのふれあいの場として活用を図ります。 ○あけぼの子どもの森公園などの施設と阿須丘陵(加治丘陵)の自然環境を生かしたレク リエーション機能の充実を図り、交流空間の形成を進めます。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①市街地幹線道路 ○広域交通を処理し、加治地区市街地の南北を縦貫する阿須小久保線の早期完成を図ると ともに、東西に走る久下六道線の改良整備を推進し、市街地の渋滞解消や安全性の向上 を図ります。 ○阿須小久保線の整備に合わせ、川寺岩沢線の整備を進め、一般県道二本木飯能線へのア クセス性の向上を図ります。 ○施行中の岩沢北部及び岩沢南部土地区画整理事業に合わせ、元加治駅北口駅前通り線や 元加治駅南口駅前通り線などの整備を進めます。 ②市街地周辺幹線道路 ○交通量の多い一般県道二本木飯能線、一般県道富岡入間線を都市間幹線道路と位置づけ、 車道の拡幅や歩道設置など改良整備を促進し、安全な道路空間の形成を図ります。 ○原市場地区及び飯能地区から一般県道富岡入間線へ至る入間川右岸道路を地域間幹線 道路としても位置づけ、歩道の設置や交差点の改良を進め、災害時や行楽シーズンの混 雑時における迂回ルートとなる、安全な道路空間の形成を図ります。 ○阿須小久保線や一般県道富岡入間線からの交通を処理し、入間市へ至る市道第1地区 2235 号線を地域間幹線道路と位置づけ、車道の拡幅などによる走行性の向上を図ります。 (3)水と緑 ①入間川・成木川 ○曼珠沙華などが咲く自然環境を生かした水辺空間の形成を図るとともに、入間市へ至る サイクリングロードの設置を促進します。 ○市民に利用されているスポーツ・レクリエーション空間の充実を図るとともに、市外か らの来訪者も楽しめる河川空間としての整備を進めます。 ○飯能河原から入間市に至る入間川沿いや成木川沿いに水辺の散策ルートの形成を図り、 親水性の向上を推進します。 ②阿須運動公園周辺 ○阿須運動公園及びあけぼの子どもの森公園周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」と して位置づけ、市民の憩いやレクリエーションの中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○阿須運動公園に至る水辺空間やあけぼの子どもの森公園周辺の散策ルートを充実し、市 民の交流を促す環境形成を推進します。 ③水と緑の散歩道 ○入間川、成木川や赤城神社、長沢寺など地域の名所・史跡などを巡り、元加治駅と飯能 駅を結ぶルートや飯能地区、南高麗地区にもつながるルートを自然・歴史・文化を楽し む散歩道として設定し、回遊性のあるネットワーク形成を図ります。 ○阿須丘陵(加治丘陵)のルートについては、やまなみの眺望を楽しむ場の確保を図り、 尾根筋からの眺望を生かした道づくりを進めます。

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第3章 地区別構想

加治地区まちづくり方針図 N 入間川右岸道路

東飯能駅 飯能駅 久下六道線

美杉台中学校

美杉台公園

阿須小久保線 入間川

浄心寺

飯能南台大河原線 美杉台公民館

神明神社

美杉台小学校

双柳岩沢線

大光寺 (仮)市道笠縫線

飯能駅南口駅前通り線 主要地方道青梅飯能線

浄化センター 成木川

元加治駅北口駅前通り線

白髪神社 元加治駅

加治小学校 川寺岩沢線 酒蔵 加治公民館 加治東公民館 加治中学校

林業センター

長沢寺

一般県道富岡入間線

元加治駅南口駅前通り線 見光寺 加治東小学校

阿須運動公園

赤城神社

岩沢運動公園 あけぼの子どもの森公園

市道第1地区 2235号線 一般県道二本木飯能線

市街地幹線道路

市街地ゾーン

河川

都市間幹線道路

田園ゾーン

地域施設

地域間幹線道路

丘陵ゾーン

地域資源

水と緑の散歩道

水と緑のレクリエーション拠点

主要公園緑地

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飯能市都市計画マスタープラン



南高麗地区まちづくり構想

地区の将来像

: 豊かな緑と人の心に抱かれて新しい文化を育むまち−みなみ高麗−

1)地区の特性・課題 ○南高麗地区は、市南西部に位置し、成木川、直竹川などの清流に恵まれ、スギ、ヒノキ だけではなく、カシやカエデ、コナラなど多種多様な植生の森林が広がる地域です。 ○日常の河川の水量が減少している一方で、雨が降ると急激に水かさが増すという状況が 生じており、森林の適切な維持管理が求められています。 ○生活排水の影響などによって河川の水質が悪化していることが指摘されており、水質汚 濁などの問題への対策が課題となっています。 ○地区内には、カタクリ群生地やモリアオガエルの棲息地などがあり、こうした生物の棲 息地を保全していくことも求められています。 2)地区まちづくりの目標 (1)多様で身近な清流を生かしたまちづくり ○未給水地域での水源の保全及び新たな水源の確保を図り、安定した飲料水の供給がなさ れる住環境の形成を進めます。 ○合併処理浄化槽の設置を促進して水質の浄化を進め、成木川、直竹川などの清流の保全 を図ります。 ○生物の棲息環境に配慮して水辺の自然を保全するとともに、子どもたちや高齢者などだ れもが楽しめ、身近に感じる水辺環境の形成を図ります。 (2)森林・農地の保全と活用によるまちづくり ○カシやカエデ、タブの木など多様な植生を持つ森林環境の保全を図り、地域固有の生態 系を育むまちづくりを進めます。 ○森林の多面的な機能を重視し、豊かな水量をもたらす保水機能やレクリエーション機能、 環境教育機能などの向上を図ります。 ○休耕地を活用した観光農園、市民農園などへの土地利用を図るとともに、小中学校の学 校林の利活用を進めます。 (3)ゆとりのある安心な暮らしができるまちづくり ○生垣、庭木など農家のたたずまいの残る居住環境の保全を図り、豊かな自然環境や農村 環境と調和した土地利用を推進します。 ○住民が安心して歩ける道づくりや沿道を生かしたつつじなどによる景観づくりを進め、 花のあるまちづくりを展開します。 ○空家の活用や情報通信網などの都市的サービスが享受できる生活環境の形成により、定 住促進を図ります。 ○農山村の伝統的な土地利用形態を生かした、ゆとりある土地利用の推進を図るとともに、 災害時にも安心して暮らせる定住環境の形成を図ります。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①南高麗公民館周辺 ○南高麗小中学校、南高麗福祉センターなどが立地する南高麗公民館周辺を「生活拠点」 として位置づけ、公共施設や生活関連施設の充実を図り、生活環境の整った、賑わいの ある中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○子どもたちが安心して遊べる広場などの確保を図るとともに、小学校周辺の生活道路の 改良などを進め、安全な歩行空間の形成を図ります。 ○南高麗福祉センター周辺は、子どもたちの遊び場や水辺を楽しむ親水空間の形成や産業 系施設の立地を促す土地利用を図ります。 ②幹線道路沿道 ○圏央道青梅ICに近い立地条件を生かし、自然環境に配慮した土地利用の誘導を図りつ つ、工場などの産業施設の立地を促進します。 ○既に工場が立地している沿道は、周辺の住宅地環境が良好に保たれるよう、住環境との 調和に配慮した工業環境の形成を図ります。 ○住宅需要に対応した適切な誘導を行い、自然環境と調和したゆとりのある定住環境の形 成を図ります。 ○生活利便施設の立地を促進するとともに、西川材などの地域資源の活用により、後背地 の自然景観と調和した集落地景観の形成を図ります。 ○長光寺や秋葉神社など一般県道原市場下成木線沿道にある歴史資源を保全するととも に、飯能窯など地域の文化資源を活用し、観光資源としての利用促進を図ります。 ○沿道に残る自然環境や生垣、集落内農地などの農林業環境に育まれた豊かな居住環境の 形成を図ります。 ③農山村集落地 ○山あいの家々を訪ねるふれあいツアーなど、地域の生活文化や伝統を生かすエコツーリ ズムが展開できる住民活動の場を確保し、交流を促す環境の創出を図ります。 ○モリアオガエルの棲息地や富士浅間神社、石灰焼場跡(県史跡)などの歴史資源の保全・ 活用を図るとともに、山間集落を結ぶ市道第 4 地区 4 号線の改良を進め、災害時にも安 全な集落地環境の形成を図ります。 ○集落地の豊かな自然環境の中で暮らせる農山村地域として、また、だれでもできる農業 の場を創出し、定住環境の形成を図ります。 ○成木川の水辺環境やカタクリ群生地などの保全・活用を図り、自然を生かしたエコツー リズムを支える集落地環境の形成を図ります。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①一般県道富岡入間線 ○円滑な交通が可能となるよう、主要地方道青梅飯能線との接続性及び見通しの悪い区間 の走行性を向上し、都市間幹線道路にふさわしいゆとりのある道路空間としての改良整 備を促進します。 ②一般県道下畑軍畑線 ○主要地方道青梅飯能線と接続し、多くの交通量を処理する都市間幹線道路として、歩道 の未設置区間を解消し、歩行者が安心して通行できる道路空間として整備を促進します。 ③一般県道原市場下成木線 ○南高麗地区の中央を走り、原市場地区とつながる地域間幹線道路として、走行性の向上 と歩行者の安全性の確保を図るとともに、市道第 4 地区 4 号線との接続性を向上し、災 害など緊急時に対応するルートとして整備を促進します。 ④(仮)南高麗飯能線 ○南高麗地区と飯能地区を結ぶルートを(仮)南高麗飯能線と位置づけ、車道拡幅や歩道 設置などの改良整備を促進し、走行性の向上を図ります。 (3)水と緑 ①成木川・直竹川 ○成木川は、水辺環境を生かした子どもたちの遊び場や岩淵周辺の豊かな自然環境が残る 水辺を楽しむ親水空間の創出を図ります。 ○直竹川は、生態系に配慮した護岸整備や河川改修を促進し、水生動植物が棲息できる水 辺空間の形成を図ります。 ②赤根ヶ峠周辺 ○赤根ヶ峠周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、遊休地や市有林を 活用し、自然を楽しむレクリエーション活動の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○子どもたちの遊び場や自然体験の場として、また、環境の大切さを学ぶ学習林として活 用できる空間の創出を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○成木川や直竹川、大仁田山、赤根ヶ峠、富士浅間神社、長光寺など地域の名所・史跡を 巡り、原市場地区、加治地区、飯能地区にもつながるルートを自然・歴史・文化を楽し む散歩道として設定し、回遊性のあるネットワーク形成を図ります。 ○赤根ヶ峠のルートや大仁田山から山王峠を結ぶルートは、尾根道からの眺望を生かした 道づくりを進めます。

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第3章 地区別構想

南高麗地区まちづくり方針図



山王峠 赤根ヶ峠 一般県道原市場下成木線 大仁田山

徳蔵寺

長光寺 南高麗公民館 南高麗中学校 飯能窯 富士浅間神社  八坂神社 直竹川 市道第4地区4号線 南高麗小学校 秋葉神社 石灰焼場跡

光全寺 山祇神社 モリアオガエル生息地

滝の入のタブの木 観音寺

(仮)南高麗飯能線

一般県道下畑軍畑線 南高麗福祉センター

主要地方道青梅飯能線 飯能駅南口駅前通り線 成木川 畑神社

至青梅IC

市街地幹線道路

丘陵ゾーン

河川

都市間幹線道路

森林ゾーン

地域施設

地域間幹線道路

生活拠点

地域資源

地区幹線道路

水と緑のレクリエーション拠点

水と緑の散歩道

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観喜寺

妙円寺 岩井堂観音 カタクリ群生地 一般県道富岡入間線

飯能市都市計画マスタープラン



吾野地区まちづくり構想

地区の将来像

ひら

: 森林とともに人を拓くふれあいのまち−吾野−

1)地区の特性・課題 ○吾野地区は、高麗川の源流となる地域で、9割以上を占める森林と幹線道路沿道や山間 部に点在する集落から形成され、山村の風景が広がっています。 ○幹線道路沿道は、宿場町としての伝統的なたたずまいを残すとともに、高山不動尊、秩 父御嶽神社(東郷公園)などの歴史的名所・史跡、寺社仏閣のほか、南川のウラジロガ シ林、高山不動尊の大イチョウなど、地域の資源が数多くあります。 ○高麗川の源流を有していることから、河川の上流地域として清流を保全していくことが 求められており、水質の保全のために合併処理浄化槽の普及が進められています。 ○地域の資源をめぐるハイキング道が整備され、西武線正丸駅、西吾野駅、吾野駅を利用 して、多くの観光客が訪れていますが、その一方で、崖・山崩れなどの恐れがある危険 箇所が多く分布し、自然災害に備えた対策が求められています。 2)地区まちづくりの目標 (1)花咲く街道と源流地域の特色を生かしたまちづくり ○苗の提供など住民と連携し、一般国道 299 号沿道を花咲く街道として整備を進め、花の ある魅力的なまちづくりを図ります。 ○身近な緑を大切にし、吾野道を生かした花いっぱいのまちづくりを進めます。 ○高麗川の源流地域として清流保全を進めるとともに、山間の川沿いに形成される集落の 形態を生かした環境と共生する住環境の保全、整備を図ります。 ○未給水地域での水源の保全及び新たな水源の確保を図り、安定した飲料水の供給がなさ れる住環境の形成を進めます。 (2)伝統的なたたずまいと交流を促す小学校跡地を生かしたまちづくり ○伝統的なまちなみが残る坂石町分の景観を活用するとともに、歴史を感じる風格のある 吾野道のまちなみを創出します。 ○旧南川小学校、旧北川小学校や空家などを活用し、山村資源を生かしたエコツーリズム の展開や都市と農村の交流の場となる、活気のある集落環境の形成を図ります。 (3)豊かな自然環境の中で情報基盤や生活基盤が整った暮らしのあるまちづくり ○周辺に残る豊かな自然環境や里山の農林業環境に育まれた豊かな居住環境の形成を図 ります。 ○光通信などによる様々な情報を、いつでも身近で入手できる情報基盤の形成を促進しま す。 ○自然災害の防止にも役立つ間伐などによる森林整備を進め、周辺の豊かな自然環境や農 林業環境と調和し、ゆとりのある良好な住環境が確保される土地利用の推進を図ります。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①吾野駅周辺 ○吾野駅周辺は、西川林業により育まれた歴史・文化が残り、宿場町の面影を感じる伝統 的なまちなみを保存・活用し、交流や定住にふさわしい環境の形成を図ります。 ○吾野の玄関口にふさわしい情報発信機能や来訪者へのサービス機能の充実を図るとと もに、自動車・自転車による利用の利便性を向上するため、駅のバリアフリー化や駅前 広場、駐車場、駐輪場などの確保を図ります。 ②西吾野駅周辺 ○吾野公民館、吾野小学校などが立地する三社地区を含む西吾野駅周辺を吾野地区の「生 活拠点」として位置づけ、生活基盤の整備を進めるとともに、商業施設など生活利便施 設の集積を図り、賑わいのある生活の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○バリアフリー化など西吾野駅の利便性の向上を図るとともに、自動車・自転車による利 用の利便性を向上するため、駅前広場、駐車場、駐輪場などの確保を図ります。 ③正丸駅周辺 ○ハイキングを楽しむ多くの来訪者の玄関口として、ハイキングルートの情報や観光サー ビス機能の充実を図ります。 ○ハイキングのまちにふさわしい景観形成を図るとともに、観光施設の集積を図り、自然 と観光が調和した土地利用を進めます。 ④一般国道 299 号沿道 ○商業施設、観光施設、サービス施設などの適正な立地を促進し、花などによるうるおい と歴史ある吾野道を感じるまちなみの形成を図ります。 ○住宅需要に対応して適切な誘導を行うことにより、景観に配慮し、周辺の豊かな自然環 境や農林業環境と調和した土地利用を図ります。 ⑤農山村集落地 ○農村集落地は、生活環境整備を進め、周辺の豊かな自然環境や農林業環境と調和した土 地利用を図ります。 ○山村集落地は、環境と共生する伝統的な形態を生かしつつ、生活基盤整備を進め、ゆと りある土地利用の推進を図ります。 ○ウラジロガシ林など豊かな自然が残る南川地区では、森林の保全を図るとともに、自然 と調和する農山村集落の環境整備を進めます。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①一般国道 299 号 ○歩道の未設置区間を解消し、歩行者が安心して通行できる道路空間としての整備促進を 図ります。 ○多くの交通量を処理する幹線道路として、坂石町分の見通しの悪い区間のトンネル化に よる走行性向上やゆとりとうるおいのある道路空間を形成するよう整備促進を図りま す。 ②一般県道南川上名栗線 ○名栗地区との連絡や観光ルートとしても重要な一般県道南川上名栗線は、車道拡幅や歩 道設置などの改良整備を促進し、走行性の向上を図ります。 ③奥武蔵・ (仮)正丸グリーンライン ○尾根筋を走り、刈場坂峠と顔振峠を結ぶ奥武蔵グリーンラインは、歩行者にも安全で観 光ルートにふさわしい道路空間の整備を促進します。 ○奥武蔵グリーンラインと主要地方道青梅秩父線を結ぶルートを(仮)正丸グリーンライ ンと位置づけ、正丸峠からの展望を楽しみ、名栗地区の観光施設へつながる観光ルート にふさわしい整備充実を図ります。 (3)水と緑 ①高麗川 ○合併処理浄化槽による水質の保全や生態系に配慮した河川改修を進めるとともに、川に 沿って散策道や休憩広場を設置することにより、地域住民にとって身近に感じる空間と なるよう、親水性の向上を図ります。 ○河岸林の植樹や花の植え込みなどにより、一般国道 299 号からの眺望が、水辺と豊かな 自然環境を感じる景観を形成するよう整備を図ります。 ②あじさい館周辺 ○あじさい館周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、観光振興にも寄 与する中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○あじさい館の活用を促進し、市民・観光客の憩いや環境学習など自然体験の場として、 また、水辺に親しみ、レクリエーションの場となる親水空間として充実を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○高麗川や東郷公園、旧南川・旧北川小学校、高山不動尊、法光寺など地域の名所・史跡 を巡り、東吾野地区、名栗地区にもつながるルートを自然・歴史・文化を楽しむ散歩道 として設定し、回遊性のあるネットワーク形成を図ります。 ○奥武蔵グリーンラインと並行するルートや峠を結ぶ尾根筋のルートについては、やまな みの眺望を楽しむ場の確保を図り、眺望を生かした道づくりを進めます。

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第3章 地区別構想

吾野地区まちづくり方針図

奥武蔵グリーンライン

刈場坂峠



(仮)正丸グリーンライン 市道第7地区3号線 関八州見晴台

正丸峠

帝王切開の碑 高麗川

旧北川小学校

正丸駅

高山不動尊  常楽院  大銀杏

全昌寺

一般国道299号 旧南川小学校 諏訪神社

伊豆ヶ岳

市道第7地区2号線 西吾野駅 吾野小学校

一般県道南川上名栗線

吾野公民館 我野神社

ウラジロガシ林 天目指峠

あじさい館 東郷公園

(仮)原市場中央線 法光寺 市道第7地区1号線

子ノ権現

吾野駅

(仮)原市場吾野線 大高山

都市間幹線道路

生活拠点

河川

地域間幹線道路

水と緑のレクリエーション拠点

地域施設

地区幹線道路

水と緑の散歩道

地域資源

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飯能市都市計画マスタープラン



東吾野地区まちづくり構想

地区の将来像

さと

: 人情あふれる山村風景の美しい郷−東吾野−

1)地区の特性・課題 ○東吾野地区は、豊かな自然環境を有する山間に高麗川が流れ、その川沿いに走る一般国 道 299 号の沿道に集落が形成されている地域です。 ○公共交通機関として西武線東吾野駅がありますが、集落から距離があるため、駅への交 通手段の確保が求められています。 ○ふれあい農園や西川材を使った木工工房などの地域資源があり、地域の産業、文化を体 験することができます。 ○地域を流れる高麗川は、合併処理浄化槽の普及により水質浄化を進めていますが、水量 の減少やコンクリート護岸の整備などにより水辺環境が変化しています。 2)地区まちづくりの目標 (1)歴史や文化を感じ、彩りとやすらぎのあるまちづくり ○集落内の空地や道端などを活用し、 「はなみずきの里」「やまぼうしの里」「山吹の里」 など地域内で特色のある花木の里づくりを進めます。 ○福徳寺、長念寺、道祖神などの歴史や文化を伝える地域資源や山村風景の美しい場所を 結んだ「歴史の道」 「道祖神の道」など特色のある道づくりを進めます。 ○高齢者がやすらぎを感じる場所や子どもたちが安全に遊べる場所がある、健康で安心し て暮らせる定住環境を形成するまちづくりを進めます。 (2)名所や史跡、体験施設などを生かした交流を促すまちづくり ○筏を組む場所であった弁天岩周辺を、地域の歴史や文化を学ぶ場として、また、観光や 体験の空間として活用し、交流の促進を図ります。 ○ふれあい農園や木工工房などの体験型施設を活用し、地域の文化や資源を体感し、市民 と来訪者が交流するまちづくりを進めます。 ○空家などを活用した滞在型施設や山村資源を生かしたエコツーリズムの展開による、交 流が生まれる集落環境の形成を図ります。 (3)水辺と山辺の暮らしを大切にしたまちづくり ○高麗川の清流を保全するとともに、うるおいのある河川景観の創出や親水空間の確保に より、水辺を身近に感じるまちづくりを進めます。 ○未給水地域での水源の保全及び新たな水源の確保を図り、安定した飲料水の供給がなさ れる住環境の形成を進めます。 ○河川沿いの農村集落や山村集落の景観を保全し、自然環境や農業環境と共生する生活文 化を生かしたまちづくりを進めます。 ○景観間伐や広葉樹の植林などにより、明るく美しい、四季を感じる森林景観を創出し、 水源かん養機能のある森林環境が形成されるまちづくりを進めます。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①吾野中学校周辺 ○吾野保育所、西川小学校、吾野中学校が立地する周辺は、子どもたちの通学や送り迎え などが安心してできるよう、安全な交通環境の形成を図ります。 ○林業の面影を感じる製材所などを活用して林業のまちを体感する場を確保し、地域の産 業や生活文化の伝統を生かすエコツーリズムを展開する環境の形成を図ります。 ②東吾野駅周辺 ○東吾野公民館、東吾野小学校などが立地する東吾野駅周辺を「生活拠点」として位置づ け、生活基盤の整備を進めるとともに、商業店舗など生活利便施設の立地を図り、賑わ いのある生活の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○バリアフリー化など東吾野駅の利便性の向上を図るとともに、自動車・自転車による利 用の利便性を向上するため、駅前広場の拡充や駐車場、駐輪場などの確保を図ります。 ③一般国道 299 号沿道 ○観光施設、サービス施設などの適正な立地を促進するとともに、沿道集落内に残る伝統 的な景観を生かした土地利用の形成を図ります。 ○住宅需要に対応して適切な誘導を行い、周辺の豊かな自然環境や農林業環境と調和した 土地利用を図ります。 ○秩父街道の面影が残る白子の旧道沿道は、武蔵横手駅に近い立地を生かし、西川材を活 用した歴史を感じるまちなみの創出や散策ルートづくりを進め、エコツーリズムを楽し む環境形成を図ります。 ④奥武蔵グリーンライン沿道 ○自然環境の保全とハイキングのまちにふさわしい眺望のある景観形成を図るとともに、 観光施設の立地を促進し、自然と観光が調和した土地利用を進めます。 ○農林産物の販売や休憩する場所、観光情報の提供の場所の確保を図ることにより、ハイ キングや眺望を楽しむ来訪者が訪れる観光ルートの沿道にふさわしい、土地利用を推進 します。 ⑤農山村集落地 ○長沢、虎秀などの河川沿いに形成された集落地は、周辺の豊かな自然環境や農林業環境 と調和した定住環境が形成される土地利用を図ります。 ○風影、阿寺などの山村集落地は、環境と共生する伝統的な形態を生かした、ゆとりある 土地利用の推進を図り、暮らしやすい住環境の形成を推進します。 ○山上の桃源郷と称されるユガテの集落景観を保全し、自然と共存する山村集落の土地利 用を進めます。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①一般国道 299 号 ○多くの交通量を処理する幹線道路として、見通しの悪い区間の走行性向上や歩行者が安 心して通行できるゆとりのある道路空間を形成するよう整備促進を図ります。 ○原市場地区、飯能地区を結ぶ林道長尾坂野口入線との接続性を向上するとともに、高麗 川右岸を走る林道などを活用し、災害時などの迂回路として整備を図ります。 ②主要地方道越生長沢線 ○東吾野地区と越生町を結ぶ幹線道路として、車道拡幅や急こう配の解消などの改良整備 を促進し、走行性の向上を図ります。 ○奥武蔵グリーンラインと一般国道 299 号を結ぶ観光ルートとして、やまなみなどの眺望 を楽しむ、ゆとりのある道路空間として整備を促進します。 ③奥武蔵グリーンライン ○刈場坂峠から尾根筋を走り、毛呂山町の鎌北湖などへ至る奥武蔵グリーンラインは、歩 行者にも安全で観光ルートにふさわしい道路空間の整備を促進します。 (3)水と緑 ①高麗川 ○合併処理浄化槽の設置を促進し水質浄化を図るとともに、河川改修にあたっては河岸林 の植樹などにより、水辺と豊かな自然を感じる景観を形成するよう整備を促進します。 ○散策道や橋詰広場などの設置により、水辺を楽しむ親水空間の形成を図るとともに、子 どもたちが安心して遊べる水辺空間の整備を促進します。 ②ふれあい農園周辺 ○ふれあい農園周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、レクリエーシ ョン活動ばかりでなく、体験型農林業観光の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○ふれあい農園の活用を促進し、農業体験や環境学習の場として充実するとともに、市民 や観光客が水辺に親しみ、交流が生まれる場となるよう、充実を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○高麗川やユガテ、顔振峠、天覚山、福徳寺、諏訪神社など地域の名所・史跡を巡り、武 蔵横手駅と東吾野駅を結ぶルートや吾野地区、原市場地区、飯能地区にもつながるルー トを自然・歴史・文化を楽しむ散歩道として設定し、里を取り込んだ回遊性のあるネッ トワーク形成を図ります。 ○奥武蔵グリーンラインと並行するルートや大高山から、天覚山を結ぶ尾根筋のルートに ついては、やまなみの眺望を楽しむ場の確保を図り、尾根筋からの眺望を生かした道づ くりを進めます。

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第3章 地区別構想

東吾野地区まちづくり方針図

奥武蔵グリーンライン



傘杉峠

主要地方道越生長沢線 顔振峠

市道第6地区6号線

諏訪神社 宗林寺 一般国道299号

西川小学校 吾野中学校

借宿神社

玉宗寺

天文岩 市道第6号地区4号線

吾野駅

東神社 大高山

ユガテ

興徳寺 木工工房 ふれあい農園

福徳寺 東吾野公民館

東吾野駅 東吾野小学校

吾那神社

弁天岩 長念寺 森の市場

天覚山

武蔵横手駅

林道長尾坂野口入線

都市間幹線道路

生活拠点

河川

地域間幹線道路

水と緑のレクリエーション拠点

地域施設

地区幹線道路

水と緑の散歩道

地域資源

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飯能市都市計画マスタープラン



原市場地区まちづくり構想

地区の将来像

: 自然とまちがそこにある豊かなふれあい−いきいき原市場−

1)地区の特性・課題 ○原市場地区は、入間川や中藤川などの清流に恵まれ、竹寺など多くの地域資源を有する 豊かな自然があふれる地域であり、市民の飲料水の水道水源であることから、市条例に 基づく「清流保全地域」に指定されています。 ○幹線道路沿道や傾斜地に宅地開発が行われてきており、歩道整備、災害防止など安心で 暮らしやすい住環境の形成が求められています。 ○林業の厳しい経営環境により、十分な手入れがなされていない森林の増加が進んでおり、 森林の適切な維持管理が求められています。 ○蛍の里づくりや花のあるまちづくりなど、地域独自の取り組みが進められている一方で、 子ノ権現や竹寺などの数多くの地域資源を活用したまちづくりも課題となっています。 2)地区まちづくりの目標 (1)人と自然が調和したゆとりあるまちづくり ○無秩序な開発を抑制し、安全でゆとりのある住環境の形成を図ります。 ○農山村の伝統的な土地利用を生かし、自然環境や農林業環境と調和した土地利用の形成 を図ります。 ○山村景観に配慮し、自然環境に恵まれた生活文化や歴史資源を生かした森林と共生する 居住環境の形成を図ります。 ○未給水地域での水源の保全及び新たな水源の確保を図り、安定した飲料水の供給がなさ れる住環境の形成を進めます。 (2)蛍が飛び交う清流を生かしたまちづくり ○生態系に配慮した河川改修を行うとともに、生活排水処理の推進と水質保全により、清 流の水辺空間を創出します。 ○河岸林など川に沿って残る自然環境を保全し、生物の棲息環境の形成を図って、多くの 蛍が飛び交い、魚が棲める清流の里づくりをめざします。 ○入間川、中藤川などの河川は、住民のレクリエーションの場として、また、子どもたち が安心して遊べる水辺空間として活用を図ります。 (3)緑と花を生かした四季を感じる活気のあるまちづくり ○歩道沿いや空地を生かした草花や花木による景観づくりを行い、四季を通して道行く人 が楽しめる環境づくりを進めます。 ○空家などを活用した新たな住民の定住や情報通信網の形成を推進して地域の交流を促 進するなど、活気ある集落空間の形成を図ります。 ○身近にある緑を大切にし、高齢者を含めた幅広い世代が自然に親しめるレクリエーショ ンや環境教育の場として森林の活用を図ります。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①原市場公民館周辺 ○原市場中学校、原市場福祉センターなどが立地する原市場公民館周辺を「生活拠点」と して位置づけ、公共施設や生活関連施設の充実を図り、生活環境の整った、賑わいのあ る中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○子どもたちが安心して遊べる広場などの確保を図るとともに、生活道路などの基盤整備 を進め、災害のない安全な生活環境の形成を図ります。 ②主要地方道飯能下名栗線沿道 ○住宅需要に対応して適切な誘導を行い、安全でゆとりのある定住環境の形成を推進しま す。 ○西川材などの地域資源の活用により、後背地の自然景観と調和したまちなみの形成を図 ります。 ○唐竹、上赤工、下赤工の宅地開発が進んだ区域については、幹線道路へのアクセス性を 向上し、安全安心な住宅地の形成を図ります。 ○赤沢、下赤工など蛍の棲息環境のある沿道は自然環境の保全を図るとともに、棲息地付 近の遊休地を活用してエコツアーの場や憩いの場を確保し、蛍の里づくりを進めます。 ③(仮)原市場中央線沿道 ○宅地開発が進んだ区域については、周辺の自然環境と調和した、安心して暮らせる定住 環境の形成を図ります。 ○遊休地の活用を図ることにより、木の文化を伝える住民活動の場を確保し、地域の交流 の場を創出します。 ○福寿草や一輪草・二輪草の原生地を保全するとともに、竹寺、子ノ権現などの歴史、文 化資源を活用し、観光資源としての利用促進を図ります。 ④農山村集落地 ○古民家の活用による体験ツアーや山あいの家々を訪ねるふれあいツアーなど、地域の生 活文化や伝統を生かすエコツーリズムが展開できる集落地の形成を図ります。 ○広葉樹の植林による水源かん養機能の向上や景観間伐などにより、自然を生かしたエコ ツーリズムを支える集落地周辺の森林環境を形成します。 ○南、中藤、原市場は、豊かな自然環境の中で暮らせる農山村地域として生活環境の整備 を進めるとともに、自然景観と調和する集落地景観の創出を図ります。 ○飛村の原風景を保全し、伝統的な山村の集落地形態を生かし、環境と共生する土地利用 の推進を図ります。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①主要地方道飯能下名栗線 ○主要地方道青梅秩父線との接続性の向上や多くの交通量を処理する都市間幹線道路と して、見通しの悪い区間の走行性の向上とともに歩道の未設置区間を解消し、歩行者が 安心して通行できる、ゆとりのある道路空間としての整備促進を図ります。 ○災害時に重要な避難ルートとなり、観光シーズンの混雑時期にはバイパスとなる入間川 右岸道路の整備、拡充を図ります。 ②(仮)原市場中央線 ○主要地方道飯能下名栗線から南・中藤地区へ至る一般県道南飯能線と吾野地区の一般県 道南川上名栗線を結ぶルートを(仮)原市場中央線として位置づけ、観光ルートとして も重要な役割を果たすよう、車道拡幅や歩道設置などの改良整備を促進し、走行性の向 上を図ります。 ○(仮)原市場中央線と一般国道 299 号を結ぶ林道長尾坂野口入線は、東吾野地区との地 域間を結ぶネットワークを形成する道路として、整備、拡充を図ります。 ③(仮)原市場吾野線 ○吾野地区の一般国道 299 号と原市場地区を結ぶルートを(仮) 原市場吾野線と位置づけ、 吾野駅などへのアクセス性の向上を図るとともに、歩行者にも安全で走行性の高い道路 空間の整備を促進します。 (3)水と緑 ①入間川 ○蛍が飛び交う清流となるよう、水質の保全に努めるとともに、赤沢、下赤工など棲息環 境に配慮した河川改修を促進し、蛍を楽しむ親水空間の形成を図ります。 ○水明橋周辺をはじめとした自然環境を活用できる場所では、橋詰広場や散策路などの設 置による親水性の向上を図り、水辺を楽しむ空間としての創出を図ります。 ②原市場中学校周辺 ○原市場中学校周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、遊休地や山林 を活用した自然を楽しむレクリエーション活動の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○子どもたちの遊び場や住民の憩いの場として、また、森林文化や環境の大切さを学ぶ学 習林として活用できる空間形成を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○入間川や中藤川、水明橋、竹寺、八坂神社など地域の名所・史跡を巡り、高齢者でも歩 ける平坦地のルートや名栗地区、吾野地区、南高麗地区にもつながるルートを自然・歴 史・文化を楽しむ散歩道として設定し、回遊性のあるネットワーク形成を図ります。 ○天神峠、仁田山峠から子ノ権現を結ぶルートや子ノ権現から大高山、天覚山を結ぶルー トは、尾根道からの眺望を生かした道づくりを進めます。

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第3章 地区別構想

原市場地区まちづくり方針図 N

子ノ権現

大高山

豆口峠

飛村

(仮)原市場中央線

竹寺 宗穏寺 (仮)原市場吾野線

天覚山

中藤小学校跡地 養福寺 中藤川 白鬚神社 木ねん工房

仁田山峠 林道原市場名栗線

林道長尾坂野口入線

周助山 天神峠

稲荷神社

高源寺

市道第5地区5号線 星宮神社 金錫寺

白髪神社

原市場中学校

水明橋

八坂神社 原市場小学校 原市場福祉センター 医王寺

入間川右岸道路

原市場公民館 白髪神社

入間川

山王峠 一般県道原市場下成木線

円福寺 主要地方道飯能下名栗線 大仁田山

都市間幹線道路

生活拠点

河川

地域間幹線道路

水と緑のレクリエーション拠点

地域施設

地区幹線道路

水と緑の散歩道

地域資源

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飯能市都市計画マスタープラン



名栗地区まちづくり構想

地区の将来像

: 緑と清流、自然を育み、ゆとりの暮らしがあるまち−名栗−

1)地区の特性・課題 ○名栗地区は、正丸峠から小沢峠へ連なる稜線で吾野地区、原市場地区に接し、北西部は 標高 1,000m級、東南部は 500m級の山々に囲まれ、入間川沿いの平坦地に市街地が形 成されています。 ○市条例に基づく「清流保全地域」に指定され、下流に市民の飲料水の取水施設もある入 間川の上流地域として、生活排水処理など清流の保全を図っています。 ○自然を活用した観光、レクリエーション資源は豊かですが、公共交通機関は、飯能駅を 起点とするバス交通だけで、本数も少なく日常生活にも不便な状況となっています。 ○川遊びやハイキングなど、自然に親しむレクリエーション施設、宿泊施設、さわらびの 湯、カヌー工房、農林産物加工直売施設など地域の特色ある観光資源が立地しています。 2)地区まちづくりの目標 (1)地域資源を活用した交流するまちづくり ○名栗湖やさわらびの湯など地域にある豊富な観光・レクリエーション資源の活用を図り、 四季を通した滞在型観光・レクリエーション活動による賑わいのあるまちづくりを進め ます。 ○獅子舞など郷土芸能を支える場を確保するとともに、観光資源を結ぶルートや地域間の 交流を促すネットワークの形成を図ります。 ○木材、間伐材を活用した建築物の普及などによる森林資源を生かしたまちづくりを促進 するとともに、住民と都市生活者が身近にふれあえる環境の形成を進めます。 (2)清流を保全し、水辺を生かした快適なまちづくり ○入間川の源流地域として水源確保に努めるとともに、合併処理浄化槽の設置により、清 流の保全を図ります。 ○入間川などの河川を利用し、水辺を身近に感じ、水とふれあえる親水空間の形成を図り ます。 ○豊かな自然環境と水辺を取り入れた、ゆとりのある生活環境を創出することにより、う るおいのある快適なまちづくりを進めます。 (3)地域の特性を生かした豊かな自然と共生するまちづくり ○自然を取り入れた四季を感じる居住空間や、自然とふれあえる生活環境の形成を図りま す。 ○森林の多面的な機能を評価し、広葉樹などの植樹による多様な生態系を保全しつつ、良 好な眺望と自然を生かした観光・レクリエーション空間の形成を図ります。 ○情報通信網など都市的なサービスと自然を享受できる居住環境の形成を図り、若年層や 豊かな自然の中の生活を望む人々の定住促進を進めます。

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第3章 地区別構想

3)地区まちづくりの方針 (1)土地利用 ①上名栗地区 ○名郷周辺は、西川林業により育まれた森林文化の雰囲気が残る環境を保全し、林業や歴 史・文化を学び、体験する場として活用を図ります。 ○景観間伐など入間川の源流地域としての自然景観を保全するとともに、間伐材の有効利 用を図りつつ、広葉樹の植林による水源かん養機能の向上や眺望と自然を生かした観光 機能の向上を図ります。 ○豊かな自然環境の中で暮らせる山村地域として生活環境の整備を進めるとともに、自然 とふれあえる空間の創出を図ります。 ②名栗公民館周辺 ○名栗小中学校、名栗スポーツ広場、名栗診療所などが立地する名栗公民館周辺を「生活 拠点」として位置づけ、生活基盤の整備を進めるとともに、商店など生活利便施設の立 地を図り、賑わいのある生活の中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○西川材を活用した名栗小学校の建替えに併せ、名栗公民館前の市道の歩行者空間設置や 名栗スポーツ広場の充実、子どもたちが安心して過ごせる広場の確保などにより、安全 安心でスポーツ・レクリエーションを楽しむ生活環境の形成を図ります。 ③下名栗地区 ○名栗湖をはじめとして、有間渓谷、名栗温泉、尾須沢鍾乳洞など自然資源の観光活用を 図るとともに、ハイキングを楽しむ来訪者に対するハイキングルートの情報や観光施設 情報の充実を図ります。 ○森林地域にふさわしい自然景観の保全を図るとともに、観光施設の立地を促進し、自然 と観光が調和した土地利用を進めます。 ○山村集落地は、環境と共生する生活形態を生かしつつ、生活基盤整備を進め、ゆとりあ る土地利用の推進を図ります。 ④主要地方道青梅秩父線沿道 ○沿道集落地は、生活環境の整備を進め、周辺の豊かな自然環境と調和した土地利用を図 りつつ、住宅需要に対応して適切な誘導を行うことにより、若年層などの定住に向けた ゆとりと利便性のある居住環境づくりを推進します。 ○観光施設、サービス施設などの適正な立地を促進し、観光・サービス機能の集積を図る とともに、農産物の販売やイベントなどを行う場の充実を図り、産業振興に寄与する土 地利用を図ります。 ○豊かな自然景観や製材所の材木などの景観の活用により、景観に配慮し、自然環境や農 林業環境が調和した林業・観光のまちを感じるまちなみの形成を図ります。

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飯能市都市計画マスタープラン

(2)道路 ①主要地方道青梅秩父線 ○主要地方道飯能下名栗線との接続性の向上や見通しの悪い区間の走行性の向上を図る とともに、多くの交通量を処理する幹線道路として、ゆとりとうるおいのある道路空間 を形成するよう整備促進を図ります。 ○歩道の未設置区間を解消し、歩行者が安心して通行できる道路空間としての整備促進を 図ります。 ②一般県道南川上名栗線 ○吾野地区との連絡や観光ルートとしても重要な一般県道南川上名栗線は、車道拡幅や歩 道設置などの改良整備を促進し、走行性の向上を図ります。 ③(仮)名栗グリーンライン ○主要地方道青梅秩父線と有間峠を結ぶルートを(仮)名栗グリーンラインと位置づけ、 歩行者にも安全で観光ルートにふさわしい道路空間の整備を促進します。 ○(仮)名栗グリーンラインと名栗湖(有間ダム)の周遊道路を活用したサイクリングコ ースを設定し、眺望や水辺を楽しむ観光ルートの形成を図ります。 (3)水と緑 ①入間川 ○清流及び河岸環境の保全を図るとともに、市民生活と結びついた身近な空間として、ま た、来訪者と交流する空間として親水性の高いふれあいの場が形成されるよう整備を促 進します。 ○各所に点在する河川敷などを活用したキャンプ場やバーべキュー広場を充実し、市外か らの利用者の観光レクリエーションの場として、また住民との交流の場としての形成を 図ります。 ②名栗湖周辺 ○名栗湖周辺を「水と緑のレクリエーション拠点」として位置づけ、清流環境を生かした 観光振興を促す中心ゾーンとしての形成を図ります。 ○さわらびの湯の活用を促進し、住民・観光客の憩いや環境学習など自然体験の場として、 また、水辺に親しみ、レクリエーションの場となる親水空間として充実を図ります。 ③水と緑の散歩道 ○入間川や名栗湖、有間渓谷、鳥居観音、名栗川橋、諏訪神社など地域の名所・史跡を巡 り、吾野地区、原市場地区にもつながるルートを自然・歴史・文化を楽しむ散歩道とし て設定し、回遊性のあるネットワーク形成を図ります。 ○正丸峠、伊豆ヶ岳を結ぶルートや有間峠、武川岳を結ぶルートは、尾根筋のルートとし てやまなみの眺望を楽しむ場の確保を図り、眺望を生かした道づくりを進めます。

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第3章 地区別構想

名栗地区まちづくり方針図 N

正丸峠 武川岳

(仮)正丸グリーンライン 名栗げんきプラザ

入間川源流 伊豆ヶ岳

ふるさと会館 主要地方道秩父上名栗線

一般県道南川上名栗線

正覚寺

天目指峠 入間川 医王寺

桧渕諏訪神社 蕨山

豆口峠

主要地方道青梅秩父線 円正寺

(仮)名栗グリーンライン 有間渓谷観光釣場

有間峠

有間川

名栗中学校

名栗小学校 名栗スポーツ広場 名栗公民館 上諏訪神社 鳥居観音 カヌー工房 仁田山峠 林道原市場名栗線 名栗湖 さわらびの湯 龍泉寺 尾須沢鍾乳洞 洞雲寺 あすなろ会館

棒ノ折山 (棒ノ嶺 )

名栗川橋

名栗温泉

主要地方道飯能下名栗線

下名栗諏訪神社

都市間幹線道路

生活拠点

河川

地域間幹線道路

水と緑のレクリエーション拠点

地域施設

地区幹線道路

水と緑の散歩道

地域資源

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