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第6章

計画の内容

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施策の具体的な展開

基本目標

1:新しく生まれる子どもを歓迎し、子育てを支える

基本方針

1:保健・医療制度の充実

(1)妊娠期からの継続的支援の充実 【背 景】

子どもの育成について、第一義的責任を負うのは親ですが、全ての親が出産してすぐに親として の適切な行動をとれるわけではありません。子どもへの接し方やしつけ方などは、実際に子育てを しながら身近な子育て仲間や地域の人々や親族からの助言を受けながら、親としての力をつけてい くものです。しかし、中にはそうした情報が適切に届かない、あるいは援助者がいない親も少なく ありません。

【現状と課題】 ・妊娠期から3歳になるまでの母親の子育てに関する不安は、全体として好転したが出産後1箇月 まではあまり変化が見られなっかった。 ■調査結果 妊娠中・産後1箇月の時期の悩み 「子どもの健康や身体に関すること」 「自分の健康や身体に関すること」 「産科選び」 現在の悩み 「育て方に関すること」 「子どもの健康や身体に関すること」「自分の時間が持てないこと」 ◆ヒアリング調査結果 妊娠中・産後1箇月の時期の悩み 「子どもの健康や身体に関すること」

多くは母親の出産の疲れや慣れない育児による疲れや睡眠

不足、育児に対するプレッシャーや孤独感から起因する相談である。

【方

針】

全ての親の育児を支援する仕組をつくりだすことが必要です。家庭における子育て不安の解消 に向けて、妊娠・出産・子育ての一貫した支援体制を目指します。 ・

子育てに対する不安や悩みに対する相談・支援を充実します。



乳幼児を持つ親のリフレッシュのため、保育所を利用した一時預かり事業を充実します。

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■具体的施策 ○乳幼児健診及び発育発達に関する事後支援の徹底 ○健診未受診児のフォローアップの充実 ○新生児訪問指導の充実 ○保健センター機能の充実 ○離乳食調理講習 ○乳幼児相談の充実 ○家庭児童相談事業 ○育児座談会の実施 ○子育てネットワーク情報誌の発行支援 ○療育のシステム化を図る ○子育て支援ネットワーク会議の開催 ○一貫した母子保健サービスの提供 ○母親学級・両親学級 ○プレママの保育体験 ○発育発達相談の実施 ○養育支援訪問事業の実施 ○リフレッシュのための一時預かり事業の充実

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(2)親子の健康の増進 【背

景】

親としての心と体をもつためには、子どもの頃からの学習が大切になります。命の尊さや人権 を大切にすることを通して、子どもを育てることの喜び、子どもと暮らすことの喜びを親として 感じることができる子育てを実現することができます。そのためには、子どもの時期から性に関 する正しい教育、自分自身の心と体を大切にする学習、また家庭の中での適切な生活時間や食生 活を維持し、推進していくことが大切になります。心と体の健康を子どもの時期から守り育てる ことが必要です。また、子育て家庭が気軽に受診できる小児医療体制の整備が必要です。

【現状と課題】 ・赤ちゃんの世話についての経験不足。 ・異年齢間の関わりについての経験不足。 ・性とからだに関する情報提供・学びの場の必要性。 ■調査結果 赤ちゃんの世話をしたことがない・・・約7割

【方

針】

次の世代が、結婚・妊娠・出産・子育てについて自分たちのキャリア設計やライフスタイルに 取り込むことが選択できるようにするため、子ども期を親世代と共に認識できるような支援体制 を整えます。 ・生涯にわたって健康で充実した生活ができるよう、健康教育の充実を図ります。 ・夜間の小児救急医療体制の充実を図ります。

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■具体的施策 ○事故防止の啓発 ○幼児を対象にした食育 ○学校における健康教育の実施 ○小児医療体制の充実

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基本方針

2:子育ての支え合いの推進

(1)交流の場の充実と親同士のつながる力の育成支援 【背

景】

少子化、核家族化の進行、地域での人とのふれあいの希薄化などの影響で、地域や親族に よる子育て支援機能が低下しており、家庭で子育てをしている親に対しても社会的な支援が 必要とされています。「孤立した子育て」を避けるためには、家族などの支援の他、地域の 様々な人たちの支援によって家庭における親の負担感を軽減していくような社会的支援が必 要です。親として力をつけ、親同士が支え合い、また、親を社会が支援することを通して子 育てしやすい地域が生活圏域において形成されることが求められています。

【現状と課題】 ・子育て不安‐9割以上が子育ての楽しさを感じながらも、不安・悩みを併せ持つ。 ・子育て仲間からの情報が中心の子育て‐仲間がいない母親支援。 ・母親のうつ傾向は、就学前がピーク‐就学前の母親の状態把握と支援。 ・仲間同士の支え合いがなされていない‐子育て家庭相互の関係を深める。 ・子育て中の親の「社会から取り残される」危機感。 ・親子のコミュニケーション不足‐地域活動への親子参加、学校行事への親参加、子ども・ 親の相互理解の推進。 ・保護者の地域との関係性構築が必要。 ・隣近所との関係の希薄化‐地域関係の維持、子育て環境を地域全体で支える意義の啓発活 動が必要。 ・自然環境を生かした子育てができる環境整備が必要。 ■調査結果 ・地域子育て支援拠点事業を乳幼児の保護者の71.7%が利用していない。 ■子ども聞き取り調査 「お年寄りから、大人、子どもなどが安心して利用できる施設がほしい」 (小学生)

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【方

針】

・子育て中の親同士が気軽に集まれる場所づくりやその活動を支援します。 ・子育て中の親子の仲間づくりを支援します。 ・地域での子育てに関する学習機会や情報提供の場を充実し、家庭の子どもに対する教育力 を高めます。 ・地域で活動している子育て支援団体の連携強化を図り、はんのうふくしの森プランでの拠 点づくりと連動させて、多様なニーズに応え、まち全体できめ細やかな支援につなげてい きます。 ・子育て中でも生涯学習の機会が制限されない環境を目指します。

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■具体的施策 ○つどいの広場の充実 ○子育てサークルの育成 ○地域子育て支援センターの充実 ○ファミリー・サポート・センターの充実 ○乳幼児親子教室の充実 ○子育て広場(サロン)の拡充 ○保育所の地域子育て支援の充実及び地域活動事業の実施 ○保育つき生涯学習講座の推進 ○地域福祉推進組織の充実

■保育所等の地域子育て支援 ・市内全保育所 子育て相談、園庭開放、地域交流保育 ・地域子育て支援拠点事業

交流・相談・サークル支援・子育て教室・講演会

■地域子育て支援拠点 どんぐりルーム(子育て総合センター内)、ひなたぼっこ(ぽかぽか保育園内)、 のびのび~の(元氣保育園内)、ゆりかご(すぎのこ保育園内)、 子育てひろばにこにこ(加治東保育所内)、いるかひろば(原市場小学校内) ■幼稚園の地域子育て支援 全7園 預かり保育、未就園児教室、地域との交流、園庭開放(1園を除く。) (平成26年5月現在)

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基本方針

3:安心して働くための子育て支援

(1)保育サービスの充実

【背

景】

産前、産後休業や育児休業など、働くことと子育ての両立のための法律の整備が進められてき ました。けれども近年、労働の場は厳しさを増し、働きながらの子育ては簡単なことではありま せん。また、これまでは祖父母を中心とした親族の支援や近所の子育て家庭の協力等で子育てが 支えられてきましたが、核家族化と近隣の人間関係の希薄化で地域の子育てサポートの力は弱ま っています。仕事と子育てのバランスをとることができるよう、家庭や地域で男女が協力して子 育てに取り組める環境整備が求められています。そのためには、親のみならず事業主にも、次世 代育成支援の視点から子育てしやすい職場にしていくことが求められています。また、安心して 子どもを預けて働ける子育て支援を進めていくには、多様な保育ニーズに対応したサービスの展 開、放課後児童の安全な居場所の確保が必要です。

【現状と課題】 ・土曜保育・休日保育の充実と夜間保育等の検討。 ・認可保育所による特別保育事業、国基準を上回る人員配置、相談・障害児保育のための研修 を実施。 ・市内の児童クラブへの入所児童数は増加傾向。 ・児童クラブの施設については、老朽化したものから順次整備するほか、余裕教室を活用する など、環境整備について検討が必要。 ■調査結果 ・土曜日の保育サービスを、3人に1人が利用を希望している。 ・病気・ケガで日常的に利用している保育サービスが利用できなかった人が多い(0~5歳児 保護者の約4割) 。

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(平成17年度) 加治けやきクラブ新築移転 (平成18年度) 精明児童クラブ(精明小学校)開設 (平成19年度) とのやま児童クラブ、ぽかぽか保育園開設 休日保育事業開始(ぽかぽか保育園) (平成20年度) 元氣保育園開設、白鳥保育園定員拡充 休日保育拡大・病後児保育事業開始(元氣保育園) (平成21年度) 南高麗児童クラブ(旧JA南高麗支店)開設 吾野ひまわりクラブが吾野小校舎内を改修して移転 双柳たけの子クラブが双柳小の敷地に新築移転 飯一小あおぞらクラブが市所有地に分離新築 加治さくらクラブが加治小敷地内に分離新築 (平成22年度)元氣保育園分園開設 (平成23年度)原市場保育所0歳児保育開始 (平成24年度)東吾野保育所、第一保育所、八幡保育所閉所 ぽかぽか保育園定員拡充 元氣保育園(本園)定員拡充 元氣保育園(分園)定員拡充 (平成25年度)山手保育所開設(土曜日1日保育開始) ぽかぽか保育園定員拡充 美杉台児童クラブ白樺が美杉台児童クラブ室から美杉台小学校敷 地内に分離新築 【方

針】

安心して子どもを預けて働ける子育て支援を進めていくには、多様な保育ニーズに対応 したサービスの展開が必要です。 ・市内の児童クラブについては、老朽化したものから順次整備するほか、余裕教室を活用す るなど、環境整備について検討します。 ・共働き家庭等が安心して子どもを預けられるようにするとともに、次世代を担う人材を育 成するため、全ての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うこ とができるよう、放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の一体化または連携した事業の検 討を行います。

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■具体的施策 ○通常保育の充実 ○病児・病後児保育事業の充実 ○低年齢児保育事業の充実 ○延長保育事業の充実 ○一時預かり事業の充実 ○土曜・休日保育事業の充実及び夜間保育事業等の実施検討 ○ショートステイ事業の実施 ◯全公立保育所でのマイ保育所事業の実施 ◯小・中・高校生の子育て教育等支援事業 ○幼稚園の預かり保育の充実 ○家庭的保育事業等の検討 ○放課後児童クラブの施設整備 ○放課後児童クラブの運営支援 ○放課後児童クラブ未設置地区の対応 ○子育てと仕事の両立しやすい職場づくりの啓発事業 ○多様な主体が子ども・子育て支援新制度に参入することを促進 するための事業

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(2)サービスの質の向上と効果的な提供の充実

【背

景】

延長保育、休日保育、病後児保育など親が子育てできないときに、保育所等で保育できる体制 を整えることは、重要な行政サービスとなっています。このような中で、平成25年4月に開設 した山手保育所では、0歳児保育や土曜日保育を新たに実施しました。子どもへの保育サービス が適正なサービスの質を維持できているかどうかを評価・判断し、よりよい保育に高めていくこ とが求められています。 保育所が多様なサービスのニーズに対応するため、地域ごとの公立私立の役割などを検討する 必要があります。また、公立保育所の保育環境の整備・充実、運営方法や施設管理方法の最適化 の検討が必要です。

【現状と課題】 ・保育所の保育内容の更なる見直しの検討。 ・幼稚園の教育時間と延長保育のあり方の検討。 ・保育所の施設・設備などの保育環境の整備・充実の検討。 ・保育所の運営・管理方法について、保育内容の充実などの最適化の検討。 ■ヒアリング調査 保育所保育士は、保育内容の質的な向上を目指し、努力がされており、今後の研修への希望 も多く、変化の途中にある事が語られている。 ■自由記述 駅前に保育園を作ってほしい。

【方

針】

・保育の質を評価し、向上させていく評価方法の検討など、評価システムを作ります。 ・保育所の民間委託(移管)について検討します。 ・地域ごとの保育ニーズへの対応を充実させるために、保育施設のブロック化について検討し ます。 ・市内の自然や施設を有効活用した保育内容の実践を推進していきます。 ・子どもたちが健やかに成長できる保育環境の整備・充実を推進していきます。 ・利用定員に余裕のある保育所への対応策として、交流保育の充実を図ります。

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■具体的施策 ○保育施設のブロック化の検討 ○市内の自然や施設を有効活用した保育内容の検討及び実践の推進

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○保育所間の交流 ○利用定員に余裕のある保育所の有効活用(保育ステーション) ○保育士の人材育成・役割拡充(地域担当保育士育成) ○保育施設・設備の整備・充実 ○保育所第三者評価制度の導入 ○保育所民間委託(移管)の検討 ○0歳児保育の予約事業の検討 ○駅前保育所設置の検討

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基本方針

4:特別な支援を必要とする子ども家庭支援

子育て家庭を支援するサービスは、多くの課題を持ちつつも、保育サービスや子どもの健全育成、 母子保健サービスなど基本的なものは整備されてきています。しかし、地域生活における回復のた めの支援や自立生活を妨げる問題からの予防的サービスが、特別な子育て問題を抱えている家庭に 対して、まだ十分に提供されているとはいいがたい状況にあります。

(1)児童虐待防止対策の充実

【背

景】

児童虐待は、増加傾向にあり、その背景は多岐にわたります。虐待防止対策は、予防、早期発見、 早期対応、保護・支援、アフターケアに至るまで切れ目ない、総合的支援が求められています。

【現状と課題】 ・地域における児童虐待防止対策・支援体制の充実。

【方

針】

・児童虐待防止対策を総合的に推進します。

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■具体的施策 ○要保護児童対策地域協議会の運営 ○児童環境づくり基盤整備事業の実施 ○養育支援訪問事業の実施(再掲) ◯児童虐待防止・相談ホットラインの活用

要保護児童対策地域協議会 要保護児童等の適切な保護を図るため、関係機関から構成される協議会を設置しています。 協議会では、要保護児童等に関する情報の交換を行うとともに、適切な保護又は支援の内容に 関する協議を行っています。

児童虐待防止・相談ホットライン 児童虐待を早期に発見することで、早期に適切な対処を行い、児童の安全・安心の保障を図る ことを目的として平成26年5月設置した電話相談窓口です。児童虐待対応に特化したフリーダ イヤルとして、市民の身近な相談窓口として利用できます。

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(2)障害のある子どもを育てる家庭支援の充実

【背

景】

望ましい成長・発達に配慮が必要な子どもや障害のある子どもの育ちを十分に保障するため には、成長・発達の様子や障害の状態などを早期に確認し、適切なサポートを受けながら子育 てすることが重要です。それにはまず、親が子どもを理解できるように、親の不安や思いに寄 り添う乳幼児期からの支援が欠かせません。そして、専門機関での子どもに適した療育、障害 についての学びなどを親が取り入れること、それらが学校教育と連携し、就労や自律的な生活 につながっていくような支援のしくみが必要です。また、地域の一員として子どもたちが互い を理解し支え合うような機会が日常的にもたらされる環境づくりも必要です。

【現状と課題】 ・ 「つぼみ園」 (障害児通園施設)を平成10年に開設し、日常生活訓練を中心に行っています。 保育所との交流保育も行っています。児童クラブでの障害児の受け入れが進んでいます。 ・公立保育所では、子どもの状態を把握して、巡回指導事業の担当者と連携して保育の中で療 育的な保育内容を実施したり、必要に応じて療育機関への付き添いや交流をしています。 ・子育て総合センターでは、保育士や臨床心理士よる相談事業や、保育所、幼稚園への巡回事 業、家庭の状態に応じて家庭訪問での相談を実施しています。特別な配慮を必要とする子ど もの保育についての研修や、加配保育者への研修を実施し、アドバイザー(保育士)や臨床 心理士によるスーパーバイズも実施しています。 ■自由記述 「障害のある子に対する支援が不足しているように思います。」 「母親の負担や気持ちを考えたうえでの環境づくりをしてほしい。 」

【方

針】

障害の認定の有無にかかわらず、子どもの個性に対応した適切なサポートを利用して地域の 中で一緒に育つという視点で施策を展開します。乳幼児期は子どもの成長・発達において、子 どもの個性だけでなく、育ちの環境からも大きく影響を受ける時期だけに、家庭からの相談を 含めて丁寧な対応を行います。 ・インクルーシブ※な子育て観に基づいた子育て支援の推進 ・子どもの個性に対応した親子への早期サポートの充実 ※インクルーシブ:障害のある者と障害のない者がともに学ぶ仕組み。

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■具体的施策 ○特別児童扶養手当の支給 ○重度心身障害者医療費の助成 ○障害児福祉手当の支給 ○重度心身障害者手当の支給 ○難病患者見舞金の支給 ○インクルーシブ保育の実施 ○つぼみ園の運営 ○障害児教育・特別支援教育 ○身体障害児への支援 ○知的障害児への支援 ○障害児(者)生活サポート事業 ○おもちゃ図書館

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(3)ひとり親家庭の自立支援

【背

景】

両親家庭でも様々な支援が必要な現代において、増加している母子家庭や、少数ではありま すが多くの生活上の問題を抱えている父子家庭は、いずれも市の施策として手厚い支援が必要 な家庭です。将来的には、市独自のひとり親家庭自立支援計画のような、総合的な課題を整理 する支援の必要があります。これまでのような経済的福祉的支援のみならず、就労や子育てと いった取組を行う自立していくための支援体制を検討していく必要があります。

【現状と課題】 母子家庭については、手当の支給等の経済的支援が行われていますが、平均所得の低いこと が指摘されているように、全ての人に十分な支援が行われている状況ではありません。安定し た収入を得られる環境を作っていくことが課題です。一人ひとりの状況は様々であり、適切な 相談体制をつくると共に、職業訓練等の紹介もしていくことが必要です。 父子家庭について実態を把握し、特に支援を必要としている人たちへの支援を検討する必要 があります。 ■調査結果 ・小学生は母親と同居95.4%、父親と同居83.9% ・中学生は母親と同居94.4%、父親と同居86.6%)

【方

針】

・ひとり親家庭の自立を促進する事業を行います。 ・父子家庭の実態を把握し、支援方法を検討します。

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■具体的施策 ○ひとり親家庭等自立促進計画の策定 ○母子自立支援員の設置検討 ○児童扶養手当の支給 ○母子及び父子並びに寡婦福祉資金の貸付 ○ひとり親家庭児童就学支度金の支給 ○ひとり親家庭等医療費の助成 ○母子及び父子並びに寡婦等の教育訓練等の支援

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(4)DV対策の充実 【背

景】

子どもへの虐待を含む配偶者への暴力は深刻な状況にあります。どのような暴力も許さな いということへの啓発と同時に、DV(ドメスティック・バイオレンス)や虐待が起きた場 合に緊急かつ迅速に救済できる支援体制が求められています。また、子育て家族が再出発で きるように、家族回復への支援を作り出すことも求められています。

【現状と課題】 ・DV被害女性と家族の相談が増加。

【方

針】

・DVの相談体制を充実します。 ・DVが起きた場合に緊急・迅速に対応する体制を整えます。

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■具体的施策 ○DV関係機関連絡調整会議の推進 ○女性相談の実施 ○配偶者暴力相談支援センターの運営

(5)多文化家族への支援

【背

景】

多文化の家族を持つ家庭では、言語の問題、文化の違いなどに基づく様々な課題があります。

【現状と課題】 ・

在住外国人に対する日本語教育や外国語での生活情報の提供が不十分。



在住外国人は複雑な生活問題を抱えている。

【方 ・

針】

在住外国人が暮らしやすい環境づくりを進めます。(相談体制の整備・日本語の教育を受 ける機会と母国語で日常生活の基本が分かる資料の充実など)

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■具体的施策 ○語学ボランティア事業の実施 ○日本語教室の開催 ○国際交流協会支援 56

(6)経済的支援の充実

【背

景】

子どもを育てる家庭は、親が若い世代である場合が多く、限られた収入で子育てをするケー スが一般的です。加えて、近年の厳しい労働環境の中で、収入が著しく減少してしまうような 子育て家庭も見受けられます。子どもが家庭の経済状況によって適切なケアを受けられないこ とがあってはなりません。子育て家庭に対しては、経済的支援や医療助成が受けられるように なっています。

【現状と課題】 ・親たちの自治体施策への要望の中では経済的支援が上位にあります。

【方

針】

・ 財政状況の厳しい中ではありますが、必要性が高く、効果が見込める事業については、経 済的支援の拡充に努めます。 ・ 子ども医療費の助成を拡充します。

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■具体的施策 ○就学援助 ○児童手当等の支給 ○子ども医療費の無償化 ○出産費資金貸付事業 ○保育所への多子入所世帯に対する保育料軽減措置 ○幼稚園就園奨励費の補助 ○未熟児養育医療の給付 ○インフルエンザ予防接種全額公費負担の実施 ○実費徴収に係る補足給付を行う事業

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基本目標 2:子どもの自律・自立する力を育てる

基本方針 基本方針 1:子どもの主体性と権利の尊重 1:子どもの主体性と権利の尊重 (1)子ども参加の推進 【背 景】 子どもたちは、一人の人間であり、市民の一人でもあります。しかし、社会の担い手として、 子どもが参加できる機会は非常に少なく、市民としての存在は非常に制限されている状況にあ ります。また、大人と子どもの間ではしばしば意識にズレが生じ、大人による子ども支援が生 かしきれない状況もあります。 【現状と課題】 ・子どもは、自分のことは自分で決めて考える機会を希望。 ・子どもが失敗しないように手助けすることで、逆に子どもの問題解決能力を育成する機会を 奪っていることもあります。 ■調査結果 ・「子どもに対して、大人に心がけてほしいこと」の問いに、小学生、中学生とも、「友だち やきょうだいとくらべないでほしい」「自分のことは自分で考えて決めさせてほしい」「き まりや約束ごとを一方的に押し付けないでほしい」を上位に挙げている。 ・中学生は「大人に何を言ってもむだだと思う」と感じている子が3人に1人。 ・「子どもの権利として大切なもの」の問いに、小学生・中学生とも、「自分の考えをいつで も自由に言えること」等を挙げている。 ■子ども聞き取り調査 ・市内中学生の場合は「大人から上から目線で言われたくない」 「いちいち口出しして欲しくな い」など、まずは子ども自身が考え、取り組む時間を欲している。

【方 針】 子どもの最善の利益を保障するため、また自律・自立した子どもを育てるためには、子どもが 自分たちの生活に関わる問題について、意見を言い、大人がそれを受け止める参加の過程が必要 不可欠です。そのために、子どもを対象とした事業や施設の企画・運営、地域での様々な市民活 動に、子どもが参加する機会を増やすとともに、子ども参加を支援するサポーターの育成も行い ます。また、子ども参加に関する事業の全体像を把握し、子ども参加の実施状況や意見の集約の あり方について検討します。

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■具体的施策 ○子ども未来会議の設置 ○子どもに関わる事業の子どもの参加を進める事業評価マニュアル作り ○子ども会活動を充実させる支援 ○子ども参加支援サポーターの育成 ○子どもフェスティバルの企画・運営への子ども参加 58

(2)子ども観※の転換

【背 景】 子どもは、それぞれがかけがえのない価値と尊厳を持った一人の人間です。子どもも人間と しての尊厳を持って自己実現し、自分らしく生きていく権利を持っています。しかし、ややも すれば、大人は、こうした人間としての当然の権利を、子どもであることを理由に軽視してし まうことがあります。それはまた、子ども自身が自分の権利を自覚しにくい現状にもつながっ ています。子ども・教職員・市民に対して子どもの権利条約を中心とした学習啓発活動を推進 する中で、子どもの権利の認識と、それに基づく子ども観※の浸透を図る必要があります。

【現状と課題】 ・子どもを権利の主体と捉える意識が希薄です。大人・子ども双方に対する権利学習と情報提 供の場の確保が必要です。 ■調査結果 ・ 「子どもと接するとき大人に心がけてほしいこと」において、小学生、中学生ともに、 「友だ ちやきょうだいと比べないでほしい」が一番多かった。 ・ 「子どもの権利として大切なもの」において、 「人と違う自分らしさが認められること」 「遊ん だり疲れたときは休むなど自由になる時間を持つこと」 「暴力やことばで傷つけられないこと」 「障害のある子どもが差別されないで暮らせること」が多く挙げられた。

【方 針】 ・子どもを保護の対象から権利の主体へと大人の認識を改めていく学習機会を作ります。

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■具体的施策 ○人権尊重意識の啓発・教育 ○教育活動を通じた人権意識の啓発活動 ○CAP※講習会の開催支援 ○子どもの権利条約の広報活動・学習機会の充実

※子ども観 : 子どもをどのような存在とみなすかに関する大人社会で広く共有されている見方のこ と。 ※CAP:Child Assault Prevention の頭文字をとったもの。児童虐待防止の意。

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(3)子ども憲章の検討

【背 景】 子どもは、生まれながらに安心して生きる権利を持っています。しかし、最近では、家庭や 学校、地域において、その権利が侵害される状況が散見されるようになっています。国際的に は、1989年に国連・子どもの権利条約が採択され、世界のほとんどの国が条約を批准して います(日本は1994年に批准)。近年、日本の各地で、子どもの権利条約をより地域に密 着した形で実施していくために、子ども憲章や子ども条例づくりといった、子ども施策実施上 の基盤整備が進められつつあります。

【現状と課題】 ・本市では、今まで子ども憲章は制定されていません。子ども施策を推進する際の基本的認識 が、本市全体として明確になっていない現状にあります。

【方 針】 ・子ども憲章の制定について検討を行うことを通じて、本市における子どもと子どもの権利に 対する共通認識を持ち、今後の子ども施策の方向性を決めることが必要です。大人のみなら ず、子どもとも意見交換をしながら、市の子ども憲章制定に向けて検討します。

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■具体的施策 ○子ども憲章の制定検討(大人委員会、子ども委員会を設置)

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基本方針 2:遊びと体験活動の充実 子どもは、様々な挑戦や成功、失敗を繰り返しながら成長し、そのことによって現代社会を構成 する一員であるという自覚や、自尊心を持つようになります。また、その中で、人との関係性の築 き方を学んでいきます。 子ども時代には、 遊びや体験こそがかけがえのない成長の土台になります。

(1)身近な居場所の充実

【背 景】 子どもたちが地域で活動していくためには、子どもたちが利用しやすい場所に、利用した くなるような空間を作り出すことが必要です。そのためには、こうした子どもたちの居場所 のコーディネートを、子どもたち自身が企画や運営に参加しながら行い、子どもたち自身の ものとして作り出していくことが重要です。

【現状と課題】 ・子どもたちの放課後や休日の居場所は、小学生の場合、平日は「自分の家」が最も多く、 次いで「塾や習い事・おけいこの教室」 「友だちの家」となっている。また、放課後に 遊んでいる内容は「テレビ・ビデオ・DVDを見る」 「テレビゲーム・パソコンゲームな ど」が過半数を超えている。 ・中学生の場合、平日は「自分の家」 「部活動」 「塾や習い事」となっている。 ・子どもがやりたい遊び(サッカー、野球、バスケットボール、バンド活動など)ができ る場所が身近なところにないとの意見がある。 ・雨の日でも遊べる施設を求める意見が多い。 ■調査結果 ・遊び場の範囲 - 徒歩あるいは自転車で5分~20分以内が多い。小学生より中学生の方 が、行動範囲は広くなる。 ・使いやすい遊び場や施設にするために必要なこと - 小学生・中学生ともに「子どもの意 見を取り入れる」が上位(6~7割) 。その他、 「遊び場や施設を増やす」 「日曜祝日も利 用可能にする」 「利用料を無料にする」 「子どもが自由に集まれるようにする」 「利用手続 を簡単にする」などが多く挙げられた。 ・近くにあったらよいと思う遊び場や施設 -小学生・中学生ともに、 「運動ができる大き な広場や公園」 「体育館やプールの施設」 「雨の日でも遊べる施設」 「友達とおしゃべりや 飲食ができる施設」が多かった。 ■子ども聞き取り調査 「平らな場所がある広い公園で遊びたい」 「福祉センターでカードゲームをしたりして 遊んでいる(小学生)」 「静かに勉強できるので福祉センターに行く(中学生)」 「あけぼの 子どもの森公園は、車でしか行けないので遠い」 「生徒数が少ないので、参加できる部活 動が限られている」 「広い遊び場がほしい」

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【方 針】 1 市内に既にある資源の有効利用・再活用・人材育成が重要です。 ① 「あけぼの子どもの森公園」 、 「こども図書館」 、 「児童センター・児童館」等をより一層子 どもが利用したくなる施設にしていきます。 ・イベントの充実(本気で楽しい、夢中になれるなど参加者の視点で行う) ・子ども自身が企画・運営・実施するイベントを、子どもの参加経験の蓄積を保障する場とし て位置付けるとともに、子どもの声が拾える場として活用し、市の施策に生かします。 ・小学生世代から中高校生世代までの幅広い年齢層の子どもたちの利用を念頭に、施設の充実 を図ります。 ・福祉センターや公民館など、(子ども専用ではない)地域の公共施設においても、子どもが利 用できる場を拡大していきます。 ② 地域人材の育成の場とする検討をします。 ・サポーターや協力員等の育成と経験の場としての検討 ・サポートされた子どもを次につなげるシステムの検討 2 地域を子どもの体験・経験の場とするために、地域の子ども支援活動全体を見通して、必 要な事業を行える仕組みを作る必要があります。また、地域の中での遊びやスポーツを通じて、 自主性や社会性を培う子ども文化を育てることが重要です。そのためには具体的に、以下のよ うなことからを実行していく必要があります。 <活動内容の充実> ・子どもの意見を取り入れた企画・運営の実施 ・地域の歴史、文化の学習・伝承‐「郷土館」を中心に工夫をこらした取組 ・スポーツ少年団の充実、リーダー育成 <遊びの援助者の育成> ・自然を有効活用し、地域の遊びのプロが遊びを提供する ・一人ひとりの特技の活用とともに自己肯定感を地域全体で高める ・地域でスポーツ活動のリーダーを育成する ・地域で子どもがのびのびと創造的に遊べる時間や場所を作る人材を育成する <情報提供のあり方の見直し> ・地域の情報を収集し、一元的に提供していく ・創造的、独創的活動を広く紹介する <施設の整備・充実> ・子どもの意見を取り入れながら、様々な遊びや体験施設の整備・充実を図っていく ・青少年が地域で創造的な活動をすることができる場所を作る

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■具体的施策 ○子ども広場(身近な遊び場)づくり ○小学生放課後事業の充実 ○子どもの居場所づくり事業 ○土曜わくわく公民館 ○児童の読書活動の推進 ○こども図書館の充実 ○スポーツ少年団の育成 ○地域指導者の育成 ○あけぼの子どもの森公園事業の充実 ○雨天時に使える遊び場の確保

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(2)自然の中の遊び場の充実

【背 景】 子どもは、遊びを通していろいろな経験をし、心身が成長していきます。しかし、このよ うな遊びの重要性を、大人自身が十分に認識していないこともあります。子どもたちが安心 して遊ぶことのできる環境として、森のようちえん、あけぼの子どもの森公園等があります。

【現状と課題】 ・本市は自然が豊かです。そのことを子どもたち自身は認識しています。しかし、豊かな 自然がありながら、それが子どもたちの豊かな遊びに十分生かされているとは言えない 現状です。 ・手入れのされていない針葉樹林等のため、子どもが自然を生かした遊びをしにくい現状 も見られます。 ■子ども聞き取り調査 「本市は、自然がたくさんあって良い」 「夏休みは近くの川で遊ぶ」

【方 針】 ・本市の自然を生かし、最低限の安全性を確保しつつ、子どもの意思・意見を反映した遊 び場・遊びを作っていきます。 ・森のようちえん、あけぼの子どもの森公園等では、より多くの利用者が気軽に参加でき るイベントや自然体験の場を提供していきます。

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■具体的施策 ○森のようちえん(自然遊び場)事業の充実 ○あけぼの子どもの森公園事業の充実(再掲) ○名栗地区の自然、施設を生かした体験活動の検討

ミニ年表 平成 9 年度 あけぼの子どもの森公園開園 こども図書館開館 平成 10年度 美杉台児童館開館 平成 15 年度 中央公園(全域)開園 平成 16年度 森のようちえん開園 平成23年度 あさひ山展望公園開園 平成24年度 龍崖山公園開園 平成25年度 子育て総合センター開所 図書館開館

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(3)子ども体験活動の振興

【背 景】 子どもは、遊びや様々な体験を繰り返しながら成長します。幼児と触れ合う世代間交流、 自然体験、職場体験、スポーツや文化活動など多様な体験を通して、人間性豊かに成長し ていくことを支える仕組みを作り出す必要があります。

【現状と課題】 体験活動は、学校教育、社会教育、市民団体、企業等で様々に取り組まれ、子どもたち は社会体験活動やボランティア活動、地域の祭りなどの行事に参加しています。 今後も、より一層の取組を推進し、全ての子どもに十分な体験活動の機会を保障してい く必要があります。

【方 針】 親子のニーズにあったイベントや体験・学習プログラムなど、楽しみながら子どもの自 主性・社会性が育まれるような活動を企画します。また、活動を通してリーダー養成を行 います。 各部署で取り組んでいる子ども体験活動について、情報を共有化するとともに、全庁的 に子どもが様々な経験をする機会を提供します。体験活動を通して、仕事や社会への関心 を高め、自らの役割について考えるきっかけにしていきます ・社会体験活動、ボランティア活動を充実します。 ・郷土の歴史や環境保護、国際交流、福祉などの体験・学習活動を充実します。 ・共同生活や人と交流する体験活動を充実します。

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■具体的施策 ○中学生社会体験チャレンジ事業 ○体験的学習機会の提供 ○郷土学習 ○夏休み親子水辺教室 ○国際交流 ○子どもフェスティバルの充実 ○社会福祉協力校・ボランティア推進校指定事業 ○小学生ふくし体験教室 ○ヤングボランティアスクール ○きょうだいボランティア ○通学合宿事業 ○名栗地区の自然、施設を生かした体験活動の検討(再掲)

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基本方針 3:多様な教育の機会の充実 (1)乳幼児保育・教育の充実 【背 景】 乳幼児期は豊かな体験に基づいた学びや、年齢に合った集団での同年齢や異年齢のかかわ りを通して、自分に対する自信や社会的な行動を獲得していく時期です。この時期に獲得した 経験は、就学後の教育活動だけでなく生涯にわたって、意欲や社会性などの基盤となるもので す。 【現状と課題】 子どもの教育や子育て支援にかかわる機関や施設の数は、地域によって様々です。人口 が減少している地域には施設の種類や数に限りもあります。しかし、子どもの育ちには集 団や多様な仲間とのかかわりを経験することが必要ですし、支え合える親同士の仲間づく りも欠かせません。地域によってそれらの経験や支え合いの機会が制限されないように、 地域を超えて機関や施設が交流を持てるようなしくみが必要です。 また、子育て支援の事業や施設の情報が利用する人にとって分かりやすく伝わるような 情報発信が必要です。 森のようちえん事業では、子どもの豊かな体験に適した環境がボランティアの手で整え られており、親子同士の交流が自然体験の中で図られています。事業の一層の充実を図り ながら、森のようちえんが、登録の必要がなく、誰もが利用できる遊びの場であることが 浸透するような PR が求められています。 ■調査結果(乳幼児保護者調査・自由記述) 「全部の幼稚園で園庭開放や子育て支援をしてほしい」「認定子ども園を増やしてほしい」 「名栗幼稚園のバス送迎の範囲を広げてほしい」 「幼稚園など子どもを育てるのに金銭的に 補助がもっとあるといい」 ■自由記述 ・年度途中からの保育所入所が円滑できるようにしてほしい。

【方 針】 乳幼児期の親子同士が交流できるような遊び場や機会の提供を図ります。また、保育園や 幼稚園などの子どもと子育てにかかわる施設間の交流や、森のようちえんでの親子の交流を 通して、親子同士の仲間作りを促し、継続的な交流につながるような事業内容を検討します。 また、そういった交流の意義を各機関が共有できるよう連携を図り、共通の保育や教育のカ リキュラムを検討します。

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■具体的施策 ○森のようちえん(自然遊び場)事業の充実(再掲) ○市立名栗幼稚園の保育の充実 ○幼稚園就園奨励費の補助(再掲) ○幼児教育共通カリキュラムの検討 ○認定こども園化の普及を図る ○保育所の入所定員の計画的な確保 ○保育所での食事ベーシックガイドの推進 66

(2)学校教育の充実

【背 景】 国際化や高度情報化、少子化や高齢化など、教育を取り巻く状況は大きく変化していま す。家庭や地域の教育力、子どもの学ぶ意欲や学力・体力、いじめ、不登校などの課題が 指摘されています。 子どもたちの生涯にわたる人間形成の基礎を培うためには、学校教育におけるカリキュ ラムや指導内容の充実を図る必要があります。

【現状と課題】 ・小・中学生ともに、学校へ行くことを楽しいと回答。 ・学校が楽しくない理由としては、 「苦手な教科の授業があるので」 「なんとなく」 「授業が わからない」という回答が多い。 ・児童生徒一人ひとりに応じた指導を充実させることで豊かな心を育むとともに、学習意 欲の向上を図ることが必要です。 ■調査結果 ・ 「学校に行くことがいつも楽しい」 (小学生38.6%、中学生32.5%) 「ときどき楽し い」 (小学生45.6%、中学生52.4%) ・学校に行くことが「楽しくない」と回答した小学生は14.3%、中学生は15.2%で あった。その理由としては、小学生では「苦手な教科の授業があるので」が51.1%と 最も多く、中学生では「友だちとうまく行かない」「なんとなく」が40.0%と最も多 い。

【方 針】 ・生涯にわたる学習の基礎づくりのため、学習指導要領の目指す基礎・基本の定着を図り、 国際化、情報化など社会の変化に対応した教育を行います。 ・自ら考え自ら学ぶなどの「生きる力」を育成する教育を推進します。 ・開かれた学校づくりに取り組みます。 ・安全で快適な教育環境に向けて、施設の充実を図ります。 ・幼稚園、保育所、小学校の連携を推進します。

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■具体的施策 ○学習指導の充実 ○総合的な学習の時間の一層の充実 ○国際理解教育事業(ブレア市との交流事業の発展) ○学校評議員制度 ○地域共育推進事業の継続 ○教育環境の整備と充実 ○保育所、幼稚園、学校の連携(幼年教育連絡協議会)

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(3)施設開放の推進

【背 景】 地域の学校として開かれた活動を展開している学校や地域の施設を、放課後の子どもたち が利用できるような空間に作り変えることは、非常に重要な課題になっています。単に空間 を提供するだけでなく、指導者を適切に配置しながら、子どもたちの豊かな放課後を提供す る学校や地域の施設開放事業が必要です。

【現状と課題】 具体的に以下のような希望が子どもから挙げられています。 ■子ども聞き取り調査 「スポ少が校庭を使用していると遊べない」 「学校の校庭は狭い」 「思いっきり活動できる場 所がない。今は小学校でやっているが使えないことが多い」

【方 針】 ・学校を地域活動の拠点として開き、学校と地域の交流を深めます。

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■具体的施策 ○学校施設の開放

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(4)地域における教育活動の充実

【背 景】 家庭や地域における教育は、子どもの成長にとって大きな役割を担っています。子どもた ちと地域社会との結び付きを深め、公共の精神や規範意識を育み、地域の教育力を高めていく 必要があります。

【現状と課題】 ・5歳以上~小学3年生の子どもを持つ保護者が、平日の放課後に過ごさせたい場所は、 「自 宅」が最も多かったため、 「子どもが主体的に考え、行動することで自立する力をつけるこ とができるような場の充実」が求められています。 ■調査結果 ・放課後に過ごさせたい場所は「自宅」(29.9%)、 「運動に関する習い事(サッカークラ ブ、水泳教室など)」(17.9%)、 「勉強に関する習い事(学習塾・そろばん教室など) 」 (13.4%)

【方 針】 ・家庭や社会の変化による様々な要因が絡んでいることから、家庭での養育機能に加え地域 全体での子育てへの関わりを推進します。 ・子どもの豊かな心や生きる力を育むために、地域の特性を生かした教育プログラムを組み 込んだ事業について検討します。 ・家庭の教育力を高めるため、家庭教育の充実を図ります。 ・地域の特色を活かした職業体験、工場見学、伝統技能体験など、地域における子どもの体 験・学習活動を充実します。 ・地域の人が、地域の子どもを時には褒め、また、叱れるような心のかよう地域づくりを推 進します。

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■具体的施策 ○家庭教育の支援 ○年齢別家庭教育学級の開催 ○地域の学校(放課後子ども教室推進事業) ○本物体験教室 ○子どもへの声掛け運動の推進

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(5)市民活動の充実

【背 景】 本市が若年層の人口流出に歯止めをかけ、子育て中の親子が安心して楽しく生活するため には、子どもの頃から市内で様々な楽しい活動経験を積むことや、子育てしやすいと実感で きることが求められています。

【現状と課題】 ・本市では、20代、30代の市民について転出が転入を上回る状況になっています。 ・多くの子育て経験者等の協力が必要です。 ■子ども聞き取り調査 「山や川など自然がたくさんあるのが好き」(小学生)、 「何もないところが逆にいい」(中学 生)、 「自然がいっぱいで人情がある」(中学生)

【方 針】 子どもたちの豊かな活動と、子育てしやすい地域を作るためには、子育ての理解者・共感 者を多数地域に育成することが必要になります。市内には、多くの子育て経験者や子育てを 支援したいと考えている市民がいます。今後は、その人たちを支援者として活かせるように 活動の組織化を図り、支援者の育成に努めることが必要になります。 ・子育てや子どもの育ちを支援する活動を推進します。 ・子どものために活動する団体等の実態を把握するとともに、子どもを支援する活動の担い 手の育成を図り、その活動を支援します。

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■具体的施策 ○PTA支援 ○子ども会育成会支援 ○青少年健全育成の会支援 ○青少年育成飯能市民会議支援

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*市民活動の紹介* 飯能市スポーツ少年団 平成26年11月1日現在、24団体、団員数968人(男699人、女269人)、指 導者数は360人(男339人、女21人)。種目はサッカー、野球、ミニバス、空手、 ソフトテニス、ホッケーなどがあります。

【青少年育成飯能市民会議】 平成26年度会員数41人、協力会員16人、団体賛助会員9団体。 青少年問題の持つ重要性と多様性に照らし、広く市民の創意を結集して連絡調整を図りつ つ青少年の健全な育成を図ることを目的とし、「少年の主張大会」「家庭の日ポスターコ ンクール」等の事業を実施しています。

【青少年相談員】 平成26年4月1日現在、埼玉県知事委嘱者5人。 県設置要綱に基づき、青少年の健全な成長を期するための活動を実施しています。具体的 には、相談員主催による「体験活動事業」、市や他団体主催の事業への協力があります。事 業実施や事業協力の場での子どもたちへの指導助言を行っています。

【PTA】 学校、家庭、地域そして行政が連携して、自立した心豊かな子どもたちを育てていくた めに、 「学校と家庭、地域の掛け橋」としての役割がPTAにはあります。現在、PTAの 活動は、 「資源回収」 「親子環境整備作業(美化活動)」など、子どもたちも参加する活動が 多くなっています。また、 「子どもの安心・安全の活動」 「あいさつ運動」 「家庭教育学級」 なども開催しています。

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基本方針 4:大人へのステップ 子どもはその成長段階に応じて役割や責任を果たすことで、社会を構成する一員としての自覚 が育まれていきます。自分は誰かに必要とされているという実感が、子どもたちの自己肯定感・自 尊感情の向上につながっていきます。そのためには、大人になる前に、特に中学生や高校生世代の 子どもたちが、他の人と意志の疎通を図りながら、家庭や地域・学校で多様な知識や技術を得るこ と、体験を重ねることが必要です。 また、子どもたちが抱える身体的・精神的な様々な問題(望まぬ妊娠・薬物乱用・喫煙・飲酒・ 過食など)が深刻化しています。大人になることの具体的なイメージを得にくいことなどから、大 人になることへの希望や期待を抱くことができない子どもが多くなっています。体などについて正 しい知識を持ち、子どものうちから赤ちゃんの世話の経験をすることなどを通して、大人と子ども が共に力を合わせて、大人になることを一緒に学びます。

(1)コミュニケーション能力を育てる 【背 景】 子ども相互の関係、子どもと大人の関係といった、多様な関係性を築くことが、大変難し い時代になっています。多様な関係性の中で自分の居場所を見つけることができずに孤立し、 自己肯定感を高めることができない子どもが多くいます。

【現状と課題】 本市の子どもの自己肯定感( 「自分のことが好きだ」 「自分は人から必要とされている」) が前回調査よりも小学生は高くなり、中学生は低くなっています。、大人に対するマイナス イメージが多いことが懸念されます。一方で、誰かのために何かをしてあげたい気持ちは、 小学生・中学生ともに前回調査よりも高まっています。また、親になるイメージを持つため に有効な「赤ちゃんの世話」の経験がある子どもが少なくなっています。 ■調査結果 ・「自分のことが好きだ」(小学生: 「そう思う」H21 28.0%→H25 33.1%、「そう思わ ない」H21 65.0%→H25 59.0%、中学生: 「そう思う」+「ややそう思う」H21 29.9% →H25 26.8%、 「そう思わない」+「あまりそう思わない」H21 68.8%→H25 72.7%) ・「自分は人から必要とされている」 (小学生: 「そう思う」H21 29.5%→H25 34.7%、 「そう思わない」H21 61.8%→H25 56.2%、中学生: 「そう思う」+「ややそう思う」 H21 32.9%→H25 30.3%、 「そう思わない」+「あまりそう思わない」H21 65.8% →H25 68.8%) ・ 「誰かのために何かをしてあげたいと思う」割合が8割を超えている。 (小学生「ある」 H21 77.5%→H25 81.8%、 「ない」H21 17.6%→H25 12.2%、中学生「よくある」 「たまにある」H21 81.2%→ H25 87.5%「あまりない」 「ほとんどない」H21 17.1% →H25 12.1% ・ 「大人に対するイメージ」では、 「人や社会のために役に立っている」 「目標に向かって 努力している」 「家族の世話をしなければならない」が6~7割となっている半面、 「仕 事が大変そう」 「仕事上がまんしなければならないことがある」 「人づきあいが大変そ う」と思っている小・中学生が、6~8割以上いる。 ・ 「赤ちゃんの世話の経験の有無」について、中学2年生の65.8%が経験を「したこと がない」 「ほとんどない」と回答している。

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【方 針】 子どもが自分を大切にする意識を育めるような機会を作ること、大人になることへの興 味・関心を引き出すことが必要です。そのために、子どもたちの経験の機会を増やすこと が必要になっています。 具体的には以下のような内容を推進していきます。 ・地域で子どもたちが活躍する場を作るとともに、そうした場で子どもを褒めるなど、 自己肯定感を高めていく工夫をします。 ・年下の子どもの相手や世話をする機会を作ります。 ・親や地域の大人の元気な姿を子どもに見せるようにします。

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■具体的施策 ○中学生社会体験チャレンジ事業(再掲) ○高校生地域有償ボランティア事業の検討 ○きょうだいボランティア(再掲) ○本物体験教室(再掲) ○通学合宿事業(再掲)

(2)性教育 【背 景】 親としての心と体を持つためには、子どもの頃からの学習が大切になります。命の尊さや 人権を大切にすることを通して、子どもを育てることの喜び、子どもと暮らすことの喜びを 感じることが大切であるという価値観を啓発していくことが重要です。そのためには、性に 関する正しい教育、自分自身の心と体を大切にする学習、赤ちゃんと触れ合う体験の充実な どが求められます。 【現状と課題】 体などの知識・情報についてよく知らない子どもが多数。

【方 針】 ・子どもたちの心と体のバランスに配慮した性に関する正しい教育を進めます。 ・赤ちゃんと触れ合う体験の充実を図ります。

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■具体的施策 ○学校における健康教育の実施(再掲) ○小・中・高校生の子育て教育等支援事業(再掲)

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基本方針

5:子どもの救済制度

(1)子どもの相談・救済制度の提供

【背

景】

全ての子どもが人間として尊重される社会を実現することは、子どもに対する大人の責務 であり、そうした社会でこそ、次世代を育成することができます。ところが子どもたちは、 家庭・学校・地域などあらゆる生活の場で課題を抱え、その課題を自分ひとりで、あるいは 自分のまわりの人々の協力だけでは取り除くことが難しい状況にあります。地域社会の中に、 子ども自身の悩みを気軽に相談したり、より複雑な問題状況に専門的に対処してもらえる場 所が必要とされています。

【現状と課題】 ・困ったときに助けを求める相手として最も多いのが「友だち」 ・より複雑で専門的な支援が必要な場合に、子どもが相談できる場所が必要。 ■調査結果 ・「困ったときに助けてくれる人や友達がいる」が小・中学生ともに8割前後 ・一緒にいて安心できる人についても、 「友達」とする回答が最も多い。次いで小学生は「母 親」「父親」と続き、中学生は「部活の友だち」 「中学校の友だち」が多い。 ・学校が楽しくないとき、 「相談しなかった・したくなかった」とする回答は、小学生の4 割、中学生の5割と多かった。 ■子ども聞き取り調査 ・ 「何か言われそうだから大人には相談しない」 「内容によるが先生にはあまり相談しない」 「部活のことは顧問の先生、クラスのことは担任の先生に相談する」

【方

針】

子どもの人権侵害に対して、適切かつ具体的な救済の仕組みを作ることが必要です。 子どもの話を十分に受け止めて、子どもが相談しやすい仕組みや場所を作ります。 ・子どもの人権を守るため、いじめや児童虐待への対応及び、相談体制を充実します。 ・自己肯定感を高める支援を行うとともに、子どもたちが自分らしく過ごせる環境を整 備します

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■具体的施策 ○家庭児童相談事業(再掲) ○CAP講習会の開催支援(再掲) ○子どもの人権オンブズパーソン制度の設置検討 ○教育相談 ○さわやか相談員の配置 ○児童虐待防止・相談ホットラインの活用(再掲)

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(2)不登校・中退・ひきこもりへの対応の充実

【背

景】

現在、スクールカウンセラー配置や「さわやか相談員」の配置、不登校の児童生徒への 支援を目的とした適応指導教室「杉っ子ルーム」を整備するなど、教育相談体制・子どもた ちへの支援体制の充実が図られています。しかし、つらさや悩みを抱える子どもたちへの支 援を考えたとき、まだ対応が十分だとは言えません。さらに、子どもたちの家族だけでは支 えきれない現状があります。

【現状と課題】 ・不登校の子どもの数(小学生で約0.3%、中学生で約2.3%) ・様々な相談機関で、中退やひきこもりの悩みが語られるケースが多く見受けられます。

【方

針】

つらさや悩みを抱える子どもたちが、地域の中で安心して生活ができるようになるには、 相談活動のみならず、子どもたちの居場所が地域の中に確保されることが必要です。その ような居場所を地域の中に作り、そこで、気持ちを打ち明けられる仲間を作り、夢中にな れる活動をすることができるような支援を進めます。 ・不登校・中退・引きこもり等の悩みに対する親身の教育相談を充実します。 ・子どもたちの居場所を作り、子ども同士の交流を進めます。

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■具体的施策 ○学校の教育相談及び教育センターの充実 ○あけぼの子どもの森公園事業の充実(再掲)

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基本方針

6:子どもの居場所づくり

(1)小学生の放課後子ども教室

【背

景】

子どもは友人・仲間との遊びを通じて、社会性・協調性・自主性などを養います。そ のため、子どもが自主的に参加でき、自由に遊べ、安心・安全に過ごせる放課後や週末 の居場所づくりが必要となっています。

【現状と課題】 子ども数の減少やパソコン・インターネットの普及などの環境の変化により、現代の 子どもたちは、地域の人と接したり、年齢の異なる子どもと一緒に遊んだりする機会も 少なくなっています。 そこで、集団生活を通じ、円滑な人間関係を形成する力を育成し、子どもたちが各自 の考えをきちんと表現できる交流の場づくりが課題となっています。 ■調査結果 ・インターネットができる物を所有していない子どもは、小学生は17.6%、中学生は 10.4%と少ない。 ・中学生の53.2%が「自分の携帯電話やスマートフォンなど」を持っている。

【方

針】

放課後や週末等の子どもたちの適切な遊び場や生活の場の確保のため、学校の「余 裕教室」などを活用して、地域住民の参画を得ながら、学習・スポーツ・文化活動・交 流活動を行える「放課後子ども教室」などの子どもの居場所づくりを推進していきます。

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■具体的施策 ○地域の学校(放課後子ども教室推進事業) (再掲)

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(2)中高生の居場所づくり

【背

景】

現代社会では、中高生にとって、家庭は必ずしも居心地の良い場所ではないことがあり ます。 そこで、自宅・学校・コンビニエンスストア以外に放課後を過ごす場所がないともいわ れている「中高生の居場所づくり」の検討が必要となっています。

【現状と課題】 子どもたちの行き場が地域にないことによる、実体験やコミュニケーション不足が指摘 され、子どもの健全な成長に影響を与えているといわれています。 また、居場所を提供するだけでなく、地域ぐるみで子どもと積極的に関わっていこうと いう気運の醸成も今後求められます。 ■子ども聞き取り調査 「映画館や専門店が無く、都心が遠い」 「家で家族に何も言われないときがほっとする」 「下校時や放課後に友だちと話すとほっとする」

【方

針】

・公共施設、公共空間、あるいは民間施設を活用し、中高生が運営に参加する仕組みを 有する居場所づくりを推進します。また、中高生専用の居場所だけではなく、地域の 方と触れ合える場所にしていきます。 ・市内の「空き店舗」等を利活用し、そこに本・パソコン等を配置し、気軽に立ち寄れ る青少年の交流と健全育成の場となる中高生の活動拠点づくりを推進していきます。 ・学校法人の空き教室を活用した「飯能アッさらしー学園」が平成26年5月に開校し ています。この施設を活用した中高生の居場所づくりを推進していきます。

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■具体的施策 ○中高生の活動拠点づくりの推進

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